『スパイ教室』シリーズに登場する、クラウスがかつて所属していた伝説のスパイチーム、「焔(ほむら)」のメンバーたちを詳細に紹介します。
原作小説に基づき、各メンバーの特殊能力や彼らの最終的な運命。
そして死亡理由までを包括的に解説し、この最強のスパイチームの背後にある物語を深く掘り下げます。
「焔」の基本情報とメンバー一覧
ディン共和国のエリートスパイチーム「焔」について、基本情報とメンバーの概要を一覧形式で紹介します。
この伝説的なチームの過去や背景、そして各メンバーが物語にどのように関わっているのでしょうか?
ディン共和国で最強のスパイ組織
「焔」はディン共和国のスパイ組織の中で最も強力で、国際的にその名が知られています。
戦前からディン共和国の安全を守り続け、特に世界大戦中はガルガド帝国軍の重要な情報を盗み出し、数十万の市民を戦火から救いました。
彼らが流した偽情報によって、帝国陸軍は最終的に敗北を決意し、大戦の終結に大きく寄与します。
蛇の策略により消滅する
その後、「焔」は38代目にしてその歴史に幕を下ろします。
その消滅の原因は、ガルガド帝国の秘密組織「蛇」の策略によるものでした。
「炬光」のギードの裏切りが引き金となり、クラウスを除く6人のメンバーが「蛇」の襲撃によって命を落とします。
焔メンバー6人の最期と死因
「焔」のメンバーは、クラウスを除く6人が「蛇」によって様々な方法と場所で暗殺されたことにより、悲劇的な最期を迎えます。
- 紅炉(こうろ)のフェロニカはムザイア共和国で銃殺され、その実行犯は「紫蟻」とされています。
- 炬光(きょこう)のギードもガルガド帝国で銃殺され、暗殺者は「白蜘蛛(しろくも)」と特定されています。
- 炮烙(ほうらく)のゲルデはフェンド連邦で斬殺され、この行為を行ったのは「蒼蠅(あおばえ)」(ギード)です。
- 煤煙(ばいえん)のルーカス、灼骨(しゃっこつ)のヴィレの死亡方法は不明ですが、彼らの暗殺者は藍蝗(あいいなご)であるとされています。
- 煽惑(せんわく)のハイジの具体的な死因も明らかにされていませんが、黒蟷螂(くろかまきり)によって命を奪われたと考えられています。
これらの暗殺は、「蛇」のメンバーによる計画的かつ冷酷なものであり、クラウスを除く「焔」の全メンバーが命を落としました。
この悲劇により、かつての最強スパイチーム「焔」の歴史は終焉を迎えます。
フェロニカは「焔」のボス
コードネーム《紅炉》を持つフェロニカは、「焔」のボスとして知られる燃えるような紅髪の女性です。
フェロニカの顔には右目の下に目立つ傷があり、その風貌は彼女の過去の戦いを物語っています。
年齢は30代後半に見積もられます。
フェロニカはクラウスに、スパイとしての精神と道徳を教え込んだ人物です。
また、幼いティアが誘拐された際には、ティアを救出した重要な存在でもあります。
フェロニカの人生は《炬光》のギードの裏切りによって、悲劇的な終焉を迎えます。
ガルガド帝国の「紫蟻」の手下に拘束された後、ムザイア共和国で紫蟻によって射殺されたのです。
亡くなる前に、フェロニカは次の世界大戦に備えて『暁闇計画ノスタルジアプロジェクト』を立ち上げました。
この計画については《炬光》のギードと、《炮烙》のゲルデのみに内容が伝えられています。
フェロニカはまた、『神樹の墓守ケルビム』という機関を設立していますが、その詳細は依然として不明のままです。
ギードはナンバー2だったが裏切る
コードネーム《炬光》を持つギードは、「焔」のNo.2としてその名を馳せています。
ギードは明るい色の髪と、軽薄な印象を与える背が高い男性で、20代後半から30代前後の年齢です。
特徴的な中年めいた顔立ちにひげを蓄え、長い手足を持ち、虫のような体格で知られています。
ギードのトレードマークは、紺色の上着です。
ギードは幼いクラウスを拾い上げ、格闘術を教えた師匠でもあります。
ギードの武器は一本の抜き身の刀で、その戦闘技術は非常に高いレベルにあります。
実際、ギードには「灯」を結成する前のクラウスが、何度挑んでも一度も勝つことができなかったほどです。
死んだとされていたギードですが、実際にはガルガド帝国のスパイチーム「蛇」に寝返り、コードネーム《蒼蠅》として再登場します。
ギードが「焔」を裏切ったきっかけは、《紅炉》フェロニカが進めていた『暁闇計画』に関するものでした。
この計画の内容に反対し、それを阻止するために作られた組織が「蛇」です。
ギードはこの計画に賛同できず、「蛇」の側につくことを選びます。
ギードが「蛇」に参加して、最初に担当した任務は「焔」のメンバーを抹殺することでした。
ギードは計画的に「焔」のメンバーを1人ずつ罠にかける戦略を提案し、最初にフェンド連邦で《炮烙》のゲルデを殺害します。
次に狙ったターゲットはクラウスでしたが、その後の展開は複雑になります。
コードネーム《炬光》として「焔」から「蛇」に寝返ったギードは、『スパイ教室』第1巻の冒頭で、クラウスを事実上の「自殺任務」に送り出します。
しかし、クラウスが予想外にもその任務から生還したことから、ギードは新たな計画を立てます。
ギードは陽炎パレスに盗聴器を設置し、「灯」ごとクラウスを抹殺しようと計画しましたが、この策も失敗し、ギードは逆に捕まってしまいます。
その後、「蛇」についての情報を語っている最中に、白蜘蛛による狙撃を受けます。
この際、クラウスを守るために身を挺して銃撃を受け、その結果、ギードは命を落としました。
ギードが最後に遺した言葉「守り抜け、今度こそ」は、ギードが過去に犯した裏切りに対する贖罪として、クラウスにとって家族同然の大切な仲間たちを守るよう託したものでしょう。
この言葉は、ギードの最終的な救済とも言える行動であり、かつての師弟関係に対する深い愛情と後悔を象徴しています。
ゲルデはナンバー3で伝説の狙撃手
コードネーム《炮烙》を持つゲルデは、「焔」のNo.3の存在です。
半世紀以上にわたり、戦場を渡り歩いた伝説的な狙撃手。
ゲルデは苛烈な性格の老婆として知られ、亡くなる時も72歳にしてタンクトップとミリタリーパンツを身に着け、鍛え上げられた筋肉質の腕を露にしていました。
陸軍兵士として数多の銃撃戦を生き抜き、多くの男性兵士を凌ぐ戦果を上げた後、スパイとしての道を歩みます。
ゲルデの独特な足さばきは瞬間移動のように見え、その技術はクラウスや「鳳」のヴィンド、「灯」のモニカに受け継がれています。
ゲルデの隠れ家には「ゲルデの遺産」と呼ばれる文書が残されており、そこには「今後2~3年以内に世界恐慌が起こる」などの世界の未来を予測する記述がありました。
ゲルデ女の洞察力は、その死後も多くの者に影響を与え続けています。
ゲルデの最期は、ギードに斬り殺されるものの、その時に
「大の大人がいちいち泣くんじゃねぇ!みっともねぇっ!」
と叱りつけ、微笑みを浮かべながら絶命したことで、ゲルデの不屈の精神が最後まで示されました。
ルーカスは双子の兄で弟はヴィレ
コードネーム《煤煙》を持つルーカスは、双子の兄であり、弟は《灼骨》のヴィレ。
ルーカスは工作術に長けており、ゲームやギャンブルを楽しむ陽気な性格の持ち主です。
ルーカスは亡くなる前に、弟のヴィレと共にライラット王国に潜伏しており、カジノでディーラーとして働きます。
この隠れた生活は、彼らのスパイとしての能力を反映しており、一般の人々に溶け込むことで身を守る戦術を取っていました。
しかし、その最後は藍蝗(あいいなご)と呼ばれる暗殺者によって、命を奪われます。
ルーカスの死は、双子の間に存在した深い絆と、彼らが共有していた危険な生活の実態を改めて浮き彫りにします。
ヴィレは交渉術に長けている
《灼骨》のヴィレは、《煤煙》のルーカスの双子の弟であり、兄と同じくゲームとギャンブルが好きな陽気な性格の持ち主です。
ヴィレは特に交渉術に長けており、その能力を生かして多くの困難な状況を乗り越えてきました。
亡くなる前には、双子の兄ルーカスと共にライラット王国に潜伏し、占い師として身を隠します。
この職業は、ヴィレの洞察力と人を惹きつける魅力を活かすのに適しており、地元の人々には尊敬されていました。
しかし、その運命も藍蝗(あいいなご)と呼ばれる暗殺者によって、突如として断たれます。
ヴィレの死は兄とともに、彼らがスパイとして生きた複雑で危険な生活の一幕を示すものであり、ヴィレの遺した影響は、多くの人々にとって忘れがたいものとなりました。
ハイジは多才な才能を持つスパイ
《煽惑》のハイジは、芸術や料理などの技能に長けたスパイであり、その才能はスパイ任務においても大いに役立てられます。
ハイジは劇場での潜入時には、一流のピアニストとして。
また、貴族の家庭教師としては、一流の画家としてその身を偽り、さまざまな役割を見事に演じ分けることができます。
さらにハイジは、官能小説家としても活動しており、その鋭い毒舌で知られ、クラウスにとっては姉貴分のような存在でした。
スパイ養成学校での特別合同演習では講師を務め、厳しい言葉をもって生徒たちを導いたこともあります。
ハイジはモニカに「心に炎を灯せない奴は、この世界ではゴミだ」という言葉を残しています。
しかし、ハイジの多彩な人生は、突然終わりを迎えます。
ハイジは「蛇」の一員である黒蟷螂によって殺害され、その才能溢れる生涯が幕を閉じたのです。
クラウスは孤児から世界最強のスパイに
《燎火》のクラウスは、「焔」のメンバーを家族のように大切にし、陽炎パレスを安心して過ごせる家としていました。
クラウス自身は孤児です。
貧困街で、他の孤児たちから孤立していたところを《炬光》のギードに拾われ、スパイとしての新たな人生を歩み始めます。
ギードに拾われるまで名前もなかった彼に、「クラウス」という名前はギードがつけました。
クラウスは温かいベッド、充分な食事、お風呂といった基本的な生活環境と、家族のような仲間がいる環境に恵まれ、スパイとしての高度な技術を学びます。
「焔」の他のメンバーからはさまざまな特技を教わり、それらを見事に身につけることに成功しました。
その結果、クラウスは世界最強のスパイとしての地位を、築き上げることとなります。
この驚異的な成長と成功は、クラウスの過去の苦労と、クラウスが経験した家族愛の大切さを象徴しています。
まとめ
スパイ教室シリーズに登場する、ディン共和国最強のスパイチーム「焔」のメンバーを詳しく紹介しました。
彼らの能力と、死亡理由が理解できたと思います。
「焔」はクラウスを除く6人のメンバーが、ガルガド帝国の秘密組織「蛇」によって殺害され、悲劇的にその歴史を閉じました。
クラウスにとって、「焔」のメンバーは家族同然であり、彼らから学んだスパイ技術はクラウスのスパイとしての能力を形成しています。
クラウスがどんな困難な任務も完遂する背景には、家族を奪った「蛇」に対する強い決意があります。
アニメで「焔」の物語が、どのように描かれるか?
ファンにとっては、見逃せないポイントとなるでしょう。