なぜ悲鳴嶼行冥は白目で泣いている?盲目で目が見えない過去の理由を解説!

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『鬼滅の刃』の岩柱・悲鳴嶼行冥の瞳は、一般的なキャラクターとは異なり、常に白目をしています。

どうして行冥の目は、あのように白く濁っているのでしょうか?

その背後には、どんな過去があるのでしょうか?

この記事では、悲鳴嶼行冥が視覚を失った理由とその背景を詳述します。

さらに、岩柱の戦闘スタイルについても掘り下げています。

この内容を把握すれば、行冥について理解が深まるでしょう。

悲鳴嶼行冥はなぜ白目で泣いている?

悲鳴嶼行冥の目は彼が初めて登場した「柱合会議編」から白く濁っており、視線は焦点が合っていないように見えます。

「行冥は視力を失ったのでは?」との憶測がありました。

その推測が正しかったことが明らかになったのは、単行本16巻の「柱稽古編」での展開です。

 

「柱稽古編」では全隊士がそれぞれの柱の元に集まり、厳しい修行をこなしていきます。

一部の柱、例えば義勇やしのぶは特定の事情で参加していなかったものの、悲鳴嶼行冥は最終的な訓練を担当しました。

この訓練は非常に過酷で、一部の隊士は心が折れかけるほどの困難に直面します。

「刀鍛冶編」で見せた、小鉄少年の過酷な修行を耐え抜いた炭治郎でさえも、疲れ果ててしまったほどです。

 

子供である炭治郎に心を開く

そんな中、行冥は炭治郎に水を渡します。

そして、「岩の訓練を終え、里で正しい行動をとった君を認める」と告げました。

炭治郎はこれに対して、

「いいえ、違います。決断したのは禰豆子であり、私ではありません。

私が決断できずにいたら、里の人々が危険にさらされていました」

とはっきりと反論しました。

 

実際、上弦の肆・半天狗との戦いで、炭治郎は刀鍛冶の里の職人たちと禰豆子のどちらを守るべきかで迷っていたのです。

その迷いを断ち切ったのは、禰豆子でした。

この話を聞いて行冥は自分の考えを改め、炭治郎に対して心を開くことに決めました。

それまでの行冥は、子供を信じることができない心理状態で、子供は純粋無垢で弱く、嘘をつくことが多く、残酷な行動も平気で行う、と強く思い込んでいたからです。

従って、子供たちを信じることが難しい行冥にとって、この変化は大きなものです。

 

白目の理由は盲目で涙もろいから

また、行冥は「多くの人々を心の目で見てきた」とも炭治郎に伝えました。

つまり、行冥が白目の理由は盲目であり、両目が視えていないからです。

行冥が盲目であることは、行冥の過去が明らかになった時に確定しました。

そして行冥が泣いている理由は、単に涙もろい性格だからとされています。

 

盲目になった理由と獪岳との関係

悲鳴嶼行冥が盲目となった経緯は単行本では描かれておらず、公式ファンブック「大正コソコソ噂話」で明らかになりました。

ここでは、その盲目に至った背景について詳しく解説します。

また、善逸の兄弟子である獪岳(かいがく)と、行冥の間には深い因縁が存在し、実は獪岳が子供の頃、悲鳴嶼たちを鬼に売り渡した過去があるのです。

合わせて、この経緯についても解説します。

 

子供の裏切りにより鬼に襲われる

悲鳴嶼行冥は元々、寺で育ちました。

行冥は病気と飢餓で家族を失い、孤独な身の上となった後、寺に引き取られます。

そして他の身寄りのない子供たちの保護者として、生活を送るようになりました。

 

しかし、行冥が保護した子供たちの中の一人が鬼と遭遇し、自分自身を守るために行冥と他の子供たちを犠牲にします。

この裏切り者の子供は、寺で燃やされていた「鬼除けの藤のお香」を消して鬼を誘導し、自らは姿を消したのです。

(大正時代にはまだ迷信が色濃く残っており、その地域では藤のお香が鬼除けとされていました)

 

「目の見えない大人は役に立たない」

この事件は、大惨事へと繋がります。

直後に4人の子供が鬼に殺害され、行冥は子供たちに「絶対に離れるな!」と指示します。

しかし沙代を除く全ての子供が、行冥から離れてしまいました。

行冥はこの時のことを、「目の見えない大人(自分)は役に立たないと判断されたのだろう」と後に述懐しています。

この話を聞いた炭治郎は行冥の失明を悟り、読者にもその事実が明らかになったわけです。

 

沙代の誤解により死刑囚となる

なお、行冥は自身も驚くほどの格闘が強い人間であり、夜が明けるまで鬼と戦い続け、何とかその場をしのぎました。

しかし、その後、事態はさらに悲劇を呼びます。

錯乱した沙代が「あの人が、みんなを殺した」と叫んだため、駆けつけた人々は「行冥が子供たちを殺害した」と誤解したのです。

行冥は必死に弁明しましたが、鬼の死体が消失してしまったため、行冥が凄惨な現場を作り出したという疑いは晴れません。

結果的に行冥は投獄され、死刑囚となってしまったのです。

 

耀哉から柱に任命され死刑を免れる

死刑を宣告された行冥ですが、なんとか死刑を免れます。

産屋敷耀哉が噂を聞きつけて行冥を救出し、行冥を柱に任命したためです。

また、沙代があの夜「あの人」と発言していたのは、実は「鬼」のことを指していました。

幼い沙代が錯乱状態にあったために、真実をうまく伝えることができなかったのです。

現在、沙代は無事に14歳を迎え、もし悲鳴嶼行冥と再会できれば、かつての誤解を解き謝罪したいと願っています。

 

盲目は赤ん坊の頃の高熱が原因

行冥が「盲目である」という事実は行冥の語りから明らかにされていますが、「なぜ盲目になったのか」という、具体的な理由は長らく不明でした。

しかし、「鬼滅の刃」が完結した後に発売された公式ファンブック「鬼殺隊見聞録・弐」において、その理由が詳しく説明されています。

行冥の目が白くなったのは、行冥が赤ん坊の頃に経験した高熱が原因でした。

 

行冥の家庭は非常に貧しく、父親は流行病で亡くなり、母親は弟を出産する際に命を落としています。

行冥に残されたのは兄と二人の弟でしたが、彼らも飢餓や病気により次々とこの世を去っています。

結局、行冥は一人残され、寺に引き取られて育てられたのです。

 

「裏切った子供」は獪岳だった

次に行冥と獪岳の関係についてです。

獪岳は新・上弦の陸であり、善逸の元兄弟子にあたります。

悲鳴嶼行冥と獪岳の関連は複雑で、実は獪岳はかつて行冥が世話をしていた子供の一人です。

同時に獪岳は、行冥と寺の子供たちを鬼に売り渡した張本人、あの「裏切った子供」でもあります。

 

獪岳は他の子供たちから追放された

行冥が暮らしていた寺で起きた悲劇に関して、行冥はいくつかの誤解を持っていました。

その中でも、特に獪岳についての認識は間違っていたのです。

行冥は獪岳が夜に寺を抜け出したのは、単に「言いつけを守らなかったから」と考えていました。

しかし、実際は獪岳が寺のお金を盗んでおり、他の子供たちから非難された結果、追放されていたのです。

 

行冥は無惨戦後に獪岳の真実を知る

行冥は、獪岳が不在だったことを子供たちから聞かなかったため、鬼の襲撃が起こるまで全く気付きませんでした。

子供たちは、行冥が獪岳を探しに夜の町を歩き回るのではないかと考えて、朝になったら獪岳のことを話そうと思っていました。

しかし鬼の襲撃により、子供たちは殺害されてしまったため、当時、行冥がこのことを知ることはできません。

この事実は、無惨との戦いが終わった後に明らかになった、つまり行冥はこれまでずっと誤解していたのです。

ただし、獪岳が自己の安全のために、行冥と他の子供たちを犠牲にした事実に変わりはありません。

 

盲目の岩柱としての行冥の戦い方

盲目という状態は、戦闘において大きな障害になります。

しかし悲鳴嶼行冥は、その障害を逆に利点に変えています。

行冥は、長年の盲目生活を通じて感覚を研ぎ澄ませ、見えないながらも周囲を正確に把握して動く能力を身につけました。

この驚異的な感覚によって、「本当は目が見えているのでは?」と疑われたこともしばしばあるぐらいです。

 

日輪刀で周囲を立体的に把握する

ただし、感覚だけでは不十分であるため、行冥は自身の日輪刀を活用しています。

行冥の日輪刀は一般的なものと異なり、鎖でつながれた鉄球と鉄斧が装備されています。

この鎖がこすれる音を使って、周囲の空間を音響によって立体的に捉えるのです。

これはまるで、ソナーのような機能を持っていると言えるでしょう。

この特異な形状の日輪刀には、全ての部分に猩々緋砂鉄と猩々緋鉱石が使用されており、非常に強力です。

鎖を用いて鬼の首を絞めることで、大きなダメージを与えることができます。

 

さらに行冥は身体能力も非常に優れており、柱たちの中で腕相撲ではトップに位置し、移動速度でも3位にランクインしています。

その高い身体能力によって、行冥は黒死牟という巨大な敵に対しても、信じられない!と評されるほどの機動力を発揮しています。

 

岩の呼吸は攻撃も防御も強力

悲鳴嶼の主な戦術は「岩の呼吸」によるものです。

岩の呼吸は五大呼吸法の一つで、特に防御力が高く、力強い攻撃が可能です。

この呼吸法は筋力を要するため、使い手には高い身体能力が求められますが、その反面、攻撃時の弱点はほとんどありません。

ただし、その流派が非常に完成度が高いため、アレンジや改良が難しいとも言われています。

作中で悲鳴嶼行冥が見せた「岩の呼吸」の技は、その迫力と効果において多くの戦闘で重要な役割を果たしています。

 

岩の呼吸の一覧まとめ

壱ノ型:蛇紋岩・双極(じゃもんがん・そうきょく)  

鉄球と手斧を同時に投げ、それらが回転しながら錐揉み状に攻撃を加える技。

 

弐ノ型:天面砕き(てんめんくだき)  

敵の頭上に鉄球を投げ上げ、その後、鎖を踏みつけることで鉄球を加速させ、敵に叩きつける。

 

参ノ型:岩膚の膚(がんくのはだえ)  

鉄球と鉄斧を自身の周囲に振るいながら、攻撃と防御を同時にこなす技。

 

肆ノ型:流紋岩・速征(りゅうもんがん・そくせい)  

鎖を引き寄せつつ、鉄球や鉄斧を大きく振り回して周囲の敵を一掃する。

 

伍ノ型:瓦輪刑部(がりんぎょうぶ)  

高く跳び上がり、空中から鉄球と鉄斧を地面に向けて連続で落下させる攻撃。

 

まとめ:生まれ変わりでは黒目があった

この記事の内容をまとめます。

・悲鳴嶼行冥が盲目であることは、単行本16巻で確認される。  

・行冥は鋭敏な感覚を利用し、日輪刀に組み込まれた鎖の音をソナーのように使って空間を把握する。  

・悲鳴嶼行冥と獪岳の関係は親子のようなものだったが、獪岳は行冥を裏切った。

 

実は惨劇の夜に、行冥から離れた子供たち全員が逃げたのではなく、一部の子供たちは助けを求めたり、戦うための道具を取りに行ったりしていたのです。

行冥が思っていた「目の見えない大人は役に立たない」ではありませんでした。

行冥がこれを知ったのは、無惨戦後の死ぬ直前の最期の瞬間で、この真実を受け入れた行冥は安心して息を引き取りました。

涙を流しながらも、顔には安らぎがあったとされています。

その後、物語の最終回で悲鳴嶼行冥の生まれ変わりと思われる人物が、保育士として働く姿が描かれ、その瞳には黒目がしっかりと描かれていました。