練馬明里は物語の初期から登場し、蛍介の同級生です。
彼女もまた、2つの異なる外見を持つ人物です。
日中は通常の姿で学校へ行き、夜は別の美しい姿で父親の業務を支援しています。
転校の背後には、父・練馬東介の指示による、蛍介の監視任務があるとされていますが、詳細はまだ明かされていません。
こんな明里ですが、なぜか読者からの反感を買っているようです。
どうしてなんでしょうか？
この記事では、彼女が嫌われている理由を深掘りしていきます。
明里が嫌われている6つの理由
以下、呼称は下記の通りで統一します。
- 蛍介の通常の姿→「ブーちゃん」
- イケメン蛍介→「蛍介」
- 明里の通常の姿→「明里」
- 美しい明里→「アリー」
明里は、ブーちゃんがアルバイトする夜のコンビニで、客として彼と出会います。
その出会いがきっかけで、ふたりが共通する特殊な状況により、二重の人格を持つ変わった4人（実際には2人）の関係が始まります。
明里は、イケメン蛍介に対しては高圧的な態度を取る反面、ブサメン蛍介には親しみを持って接します。
ストーカー編を経て、彼女は蛍介の身体の秘密に気づき始め、調査を進めていきます。
2人の関係にはまだ進展は見られませんが、身体の秘密を知りたい当事者として、彼女は今後重要な役割を果たすことになるでしょう。
では、なぜ明里は蛍介と異なり、読者から嫌われるのか…？
以下の6つのポイントで解説します。
「イケメン＝悪」という偏見
明里に対する不評の理由の一つに、「イケメン=悪」という偏見があります。
彼女はHNHグループの練馬会長の娘であり、昼は普通の容姿で学校に通い、夜は美しい姿で父親の仕事を手伝っています。
この二つの身体を持つことで、人間の真の本質に気づき始め、「外見至上主義」の現実を深く理解するようになります。
美貌を持って以来、見た目だけで近寄ってくるイケメンや、取り入ろうとする人たちに対して嫌悪感を抱きます。
その結果、外見だけで人を判断する周囲に反発し、イケメン＝悪という偏見を強く持つようになります。
イケメンの蛍介であっても、彼の下心のない行動に対しても、防御的で否定的な態度を取ってしまうのです。
単純にイケメンであることだけを理由に、信頼を置かず距離を置くようになります。
蛍介に対する横暴な態度
二つ目の理由は、「蛍介に対する横暴な態度」です。
明里はイケメンに対する嫌悪感から、蛍介に対して冷たく、時には横暴な態度を取ります。
彼女はブーちゃん（蛍介のもう一つの姿）と、イケメン蛍介が同一人物であるとは知らず、その対応には大きな差があります。
たとえイジメから救われるなどしても、イケメンに対する固定観念を払拭することができず、親切にされても心から感謝することが難しいようです。
このように、自分が批判する「外見至上主義」を無意識のうちに助長している行動は、彼女が読者に嫌われる大きな要因となっています。
上から目線と口調の厳しさ
明里とアリー、どちらの姿であっても、彼女の口調は常にきつく、断定的です。
元の姿の明里としても、美しいアリーとしても、彼女は誰に対しても厳しい言葉遣いを使います。
練馬グループの会長の娘としての地位が、自然と周囲から一定の敬意を集める環境にあるため、その言動がしばしば強気であると批判されがちです。
この口調が彼女を「上から目線」と見せかけてしまい、対人関係において問題を引き起こす原因となっています。
特に学校内外の不良たちとの間で、この強気な態度が対立を生じさせることもあります。
好き嫌いが激しい性格
明里の性格におけるもう一つの特徴は、彼女の好き嫌いが非常に激しいことです。
人を見た目で判断し、好まない人物には厳しい態度を取ることがしばしばあります。
特に蛍介に対する接し方は、その日の彼の外見によって大きく異なります。
イケメンの蛍介には冷たく、ブーちゃんの姿の蛍介には親しみやすい態度を示します。
このような行動の裏返しは、他の人々に対しても見られます。
例えば夜のバイト先で、わざわざブーちゃんに会いに行くなど、彼女の態度の一貫性のなさを示しています。
さらに修学旅行でのエピソードでは、関西の女子高生たちがトラブルに遭っている際に、誰を助けるかで迷う様子も見られました。
その選択は外見に基づいて行われ、「全員カワイイから助ける必要がない」と考えることもあったそうです。（美人も嫌い）
このような好き嫌いのはっきりした態度は、彼女の人間関係において、しばしば摩擦や誤解を生む原因となっています。
箱入り娘でお姫様スタイル
明里は練馬東介会長の一人娘として、HNHグループの豊かな環境で育ちました。
欲しいものは何でも与えられ、困難からは常に守られています。
彼女はまさに、お姫様のように扱われています。
しかし、そのような待遇にもかかわらず、明里は伝統的なお姫様像とは異なり、自分の立場と権力を利用して他人を支配しようとすることがあります。
イケメンに対する厳しい態度や、自分に従う人々を厳しく扱うこともしばしばです。
明里がこのように育ったのは、父親や彼女のボディーガードである譲など、常に彼女を守る存在がいたためです。
彼女の周囲の人々は、練馬会長の権力を背景に明里に逆らうことができません。
才源高校への転校後も、新しい人間関係が彼女に少しずつ変化をもたらしているようですが、根本的な性格は変わりにくいものです。
羨望の的となる絶世の美貌
明里のもう一つの体、アリーは誰もが羨むような完璧な美貌とスタイルを持っています。
この外見は、他人からの妬みや羨望を招く原因となります。
元々が令嬢としての特権的な生活を送っている明里は、その美貌によってさらに強い注目を集め、これが彼女に対する反感を生むことがあります。
周囲の女子たちや、彼女自身も他の美しい人々を毛嫌いする傾向があるため、自身も同様に扱われることがあるのです。
このように、明里の外見と生まれが複合的に絡み合って、彼女の人間関係や社会的な評価に複雑な影響を与えています。
まとめ：外見ではなく内面で判断する
明里の人気が低い理由としては、彼女のイケメンに対する偏見や厳しい口調が主な要因として挙げられます。
しかし物語が進むにつれて、彼女のキャラクターにも変化が見られ、徐々に読者からの受け入れも進んでいるようです。
今後、明里と蛍介が互いの秘密をどう扱うか、その進展に注目が集まります。
彼らの関係性がどのように展開し、どのような反応を見せるかは、今後の物語の見どころの一つです。
私の考察としては、見た目に対する社会の偏見と、その偏見が個人の行動や対人関係にどのような影響を及ぼすかを探求しているようです。
特に「外見至上主義」というテーマを軸に、登場人物の明里が直面する様々な挑戦を描いています。
彼女は美貌を持つがゆえに、周囲からは羨望や妬みの対象となり、それが彼女の人間関係を複雑にしています。
一方で、イケメンに対する否定的な偏見を持つことで、内面を見ることなく人を判断する行動が反映されています。
これが彼女自身の人間性の成長を、阻害している様子を示しています。
物語が進む中で、明里のキャラクター性にも変化が起きています。
序盤の厳しい態度や偏見が徐々に軟化し、他人との深い絆を築くことで自身の価値観を見直す過程が描かれているのです。
この変化は人は外見だけではなく、相手の内面や真意を理解しようとする重要性を読者に訴えかけています。
そして、個々人の秘密や苦悩を知ることが、相互理解に繋がり、より豊かな人間関係を築く一歩になるという、メッセージも込められているのではないでしょうか。
全体を通して、この物語は外見に対する社会的な偏見を批判し、それに挑む個人の内面的な成長と解放を描くことで、読者に対し深い共感と洞察を促しているのではないでしょうか。
