鬼滅の刃で主要キャラとして注目される、甘露寺蜜璃。
彼女は表面上は常に明るく振る舞っていますが、その背景にはとても辛い経験がありました。
苦労した過去を乗り越えてきたことが、今の彼女を形作っています。
彼女の過去には一体、何があったのでしょうか…?
そして、なぜ鬼殺隊に入ったのでしょうか?
蜜璃の壮絶な過去と鬼殺隊への加入理由
表向きは「恋柱」として順調に見える蜜璃ですが、実際はそうでもありません。
これまでには、壮絶な苦悩の日々があったのです。
甘露寺蜜璃のこれまでの過去と、彼女が鬼殺隊に加わることになった理由について掘り下げていきます。
幼少期から怪力で大食いの異端児
蜜璃のこれまでの背景を振り返ると、彼女は幼少期から怪力を持つ異端児として知られています。
たった1歳2ヶ月で、15kgもの漬物石を持ち上げ、筋肉の密度が通常の8倍という非常に高いレベルにあります。
そのため、母親が驚くほどの力を示しています。
また、体質的に食欲旺盛で、小柄ながらにして相撲取り三人分以上を食べるほどです。
これらの特徴が、甘露寺蜜璃というキャラクターの非凡な体質を形成しています。
桜餅の食べ過ぎで髪が桃色になる
また、彼女の体質だけではなく、彼女の髪色も珍しいピンクと黄緑です。
どうして、こんなに変わった髪色になったのでしょうか?
実は、幼少期は通常の黒髪だったのですが、桜餅を異常に食べた結果、髪が変色してしまったと言われています。
具体的には、1日に170個の桜餅を8ヶ月間もの間、食べ続けるという極端な行動が原因です。
この結果、髪と目が変わったと公式ファンブックに記載されています。
もちろん、実際にそんなことが可能かどうかは定かではありませんが、誰にも真似できないため詳細は不明です。
特異体質が原因でお見合いが破談
体質や髪色の特異な蜜璃ですが、その非凡な存在が徐々に明らかになるにつれて、困難に直面することもありました。
特に辛かったのが、17歳の時に体験したお見合い相手からの言葉です。
「あなたと結婚できるのは、クマかイノシシか牛くらいだろうね」
「その変わった髪の色が、子どもに遺伝すると考えると恐ろしいわ」
「このお見合いはなかったことにして、私のことは忘れてください。さようなら」
このように非常に厳しい言葉を投げかけられ、お見合いが破談します。
物語の中ではあるものの、女性に対してこのように辛辣な言葉を投げかけるのは、確かにひどいことです。
現代では、髪の色など気にならないかもしれませんが、大正時代ではなかなか受け入れられなかったでしょう。
「ピンクと黄緑の髪の色を持つ怪力の大食い女性」がお見合いに来たと知れ渡ったことで、その後の生活も窮屈なものとなったはずです。
自分を隠し続けて苦痛の日々を送る
その後の蜜璃は、お見合いの経験に深く傷つき、自己否定を始めます。
彼女は自分の真の姿を隠す決断をし、染め粉で髪を黒くし食欲を抑え、力を隠して弱いふりをする生活を送ります。
その間、彼女に結婚を申し込む者も現れましたが、蜜璃は偽りの生活に疑問を感じ始めます。
「このような生き方は正しいのだろうか」
「自分らしくいられる場所は存在しないのか」
「自分の真実を受け入れてくれる人はいないのか」
という思いが彼女を苛(さいな)みます。
結果、彼女は真の自己を求め、居場所を見つけるため鬼殺隊に入隊することを決意します。
煉獄の継子となり恋の呼吸を会得
公式ガイドブックによると、蜜璃は「煉獄杏寿郎の養子」として知られています。
彼女の物語は、煉獄杏寿郎の外伝にも詳述されており、彼の「炎の呼吸」を習得することはできませんでしたが、その代わりに「恋の呼吸」という独自の技を開発します。
蜜璃独自の呼吸法として、以下の技があります。
・壱の型 初恋のわななき
・弐の型 懊悩(おうのう)めぐる恋
・参の型 恋猫しぐれ
・伍の型 揺らめく恋情、乱れ爪
・陸の型 猫足恋風(ねこあしこいかぜ)
他にも型が存在する可能性はありますが、現在のところ作中で紹介されているのはこれらのみです。
結婚相手を探すため鬼殺隊へ加入
次に蜜璃の鬼殺隊への加入理由を探ると、彼女には具体的な目的がありました。
それは結婚相手を探すためです。
刀鍛冶の里で炭治郎に、鬼殺隊への入隊理由を問われた際、彼女は、
「一生を共に過ごす相手を見つけたい」
「女性として、自分よりも強い人に守ってもらいたい」
と言っています。
さらに、彼女が「柱」になった理由についても語り、
「柱の中には強い人が多いけれど、そんな人たちとなかなか会えないから、自分も柱になろうと決めた」
「それには相当努力した」
と炭治郎を驚かせています。
これまでの経緯を振り返ると、蜜璃が婚活のために鬼殺隊に入隊し、さらには柱にまで昇格したことは、炭治郎にとっても予想外でした。
そんな動機で鬼殺隊に加わり、活躍する者は他にはいなかったからでしょう。
一見、軽い理由で鬼殺隊に入ったと思われがちで、家族や友人を失った復讐のために入隊した者たちから見れば、不快に思うかもしれません。
しかし、蜜璃は自らの死のリスクを受け入れ、
「今度また生きて会えるかは分からないけれど、頑張りましょうね」
と炭治郎に力強く伝えます。
この言葉からも彼女が持つ真剣な覚悟と、命を懸けた婚活をしていることが窺えます。
彼女が柱としての地位にあることは、その実力と絶対的な努力の証です。
たとえ動機が婚活であっても、彼女の真剣な姿勢には誰も異論を唱えないでしょう。
自分の居場所を探すために加入
蜜璃が鬼殺隊に加入した2つ目の理由は、素の自分を受け入れてくれる居場所を探すことです。
これは彼女が以前から経験していた、自分を隠し続ける生活からの脱却を意味します。
鬼殺隊での生活は、彼女にとって自己受容を促進する環境となりました。
入隊後、煉獄杏寿郎の継子となることで、彼女の奇抜な髪色も新たな価値を持つようになり、鬼の注意を引き人々を明るくする才能、として評価されます。
さらに鬼殺隊のリーダーからは、「神から特別に愛された人」として称賛され、
「自分の強さを誇りに思いなさい」
と励まされます。
これらの言葉に蜜璃は感動し、涙を流しました。
最終的に、彼女は「伊黒」という理想的な伴侶を見つけることができ、彼と共に生涯を過ごすことを決意します。
彼女は周りから、尊敬や憧れのまなざしで見られるようになります。
そして鬼から守った人々からは感謝の涙を受け、炭治郎たちからは「この人は希望の光」と言われるようにもなります。
これらの経験を通じて、蜜璃は鬼殺隊を「自分にとって大切な居場所」と感じるようになり、ここでの生活が彼女にとっての生きがいとなったのです。
まとめ:自己受容と他者との結びつきの重要性
蜜璃の物語を通じて感じた私の感想ですが、個性を受け入れ、自己肯定の重要性についての深い洞察が感じられます。
蜜璃と言うキャラクター性を通して、社会が押し付ける期待や常識に囚われず、自分自身の真実を受け入れる勇気が描かれています。
彼女が過去の自己否定から脱却し、自己の個性を武器として生きる道を選ぶ過程は、読者に対しても自己受容の重要性を強く訴えかけます。
また、物語は単に自己受容に留まらず、自分と異なる他者を受け入れることの価値も示唆しています。
蜜璃が鬼殺隊という、異なる個性が集まるコミュニティで居場所を見つけ、尊重されることから、多様性の中での共生の可能性が浮かび上がります。
彼女の周りの人々が、彼女の個性を認め評価することで、蜜璃は自身の強みを最大限に活かすことができるようになります。
さらに人間関係における理解と受容が、いかに人生を豊かにするかを教えています。
蜜璃が伊黒という理想的な伴侶を見つけ、彼に受け入れられることで自己肯定感が高まる様子は、他者との深い結びつきが自己実現に欠かせない要素であることを強調しています。
最終的に蜜璃が「希望の光」として他者から見られるようになる過程は、個人の成長が周囲に与える影響の大きさを示しており、一人一人の存在が社会全体に価値をもたらすことを象徴しています。
これらの要素を通じて、自己受容の力と個性を生かし合う社会の構築への希望を表現していると言えるでしょう。