「黙示録の四騎士」で重要な役割を果たす、トリスタン隊のキオンに焦点を当てます。
ギルサンダーの子として、精霊を操る才能を含む類稀なる能力を持つキオン。
しかし読者からは、彼の性格が原因で「うざい」「嫌い」との声が上がっています…。
この記事では、キオンに対する否定的な意見が多い理由を深掘りします。
キオンが不人気の背景と理由
キオンの人物像は受け入れがたいものがあり、度々問題を引き起こします。
しかしその背後には、彼なりの動機が存在するのです。
キオンが嫌われている理由と、彼の行動原理について説明します。
不快な性格や罵詈雑言
キオンに対する批判の多くは、彼の陰険な性格にあります。
特に目下の人々に対する態度が悪く、パーシバルたちを見下したり、不要なコメントをしたりします。
このような性格が原因で、ギルサンダーを困らせたり、グリアモールの息子が訪問を控えるようになりました。
「罵詈雑言」を連発するキオンの行動は、彼を嫌う大きな理由です。
トリスタンへの過剰な崇拝心
トリスタンに対するキオンの過度なまでの崇拝心が、多くの人にとって「うざい」と感じられる一因となっています。
トリスタン隊内でさえ、キオンのこの態度は浮いています。
ジェイドはトリスタンに対して、ごく普通の好意を持ち、イゾルデの好意は乙女心からくるもので「信者」とは異なります。
一方でキオンは「トリスタンのためなら何でもする!」と公言しており、その度が過ぎた態度は周囲を引かせることも少なくありません。
自身で「熱心すぎる」と自覚しているにもかかわらず、その姿勢を改めないことが不評の原因です。
キオンのこのような行動は、他のメンバーへの不認識にもつながっています。
例えば、パーシバルは未熟かもしれませんが、ガウェインは爆発的な力を持ち、ランスロットはトリスタンを凌ぐ実力を有しているにも関わらず、キオンは彼らを見下しています。
この「他者を認めない」態度が、キオンの「うざい」という評価を強めていると言えるでしょう。
幼少期は良い性格だった
初めからキオンが、読者に嫌われる性格をしていたわけではありません。
実際、彼が幼少期には非常に良い子でした。
ギルサンダーとマーガレットの息子として生まれたキオンは、両親の良い性質を受け継いでいました。
父の真面目さと母の優しさが合わさった彼は、純粋で目に輝きを持っていました。
しかし、もし彼が連れ去られていなければ、今日のような「問題児」ではなく、「信頼できる聖騎士」として成長していた可能性が高いです。
その潜在的な性格の良さが、現在の行動と照らし合わせると、彼に対する評価はまた異なっていたかもしれません。
ビビアンによる誘拐事件
キオンが3歳の時、彼の人生は突然の転機を迎えます。
マーリンのかつての弟子で、魔術に長けたビビアンによって誘拐されたのです。
ビビアンは「七つの大罪」シリーズからのキャラクターで、特にギルサンダーに対する一方的な愛情から、異常な行動を取ることで知られています。
ビビアンはリオネスに侵入し、魔法を用いてキオンを拉致。
当時の彼女は、七つの大罪時代の華奢な姿から一変し、肥満体になっていましたが、ギルサンダーへの執着は変わらず強かったです。
彼女はキオンに対し、自分を母親と呼ばせるなどの心理的圧力をかけました。
当時のキオンは自分の魔力をまだ制御できず、ビビアンの元から逃れる術を持たないことを悟り、彼女の機嫌を損ねないよう過ごすことを選択します。
長期間の監禁と異常な愛情
ビビアンに誘拐されて以降、キオンは6年間にわたり彼女に監禁され、異常なほどの愛情を受け続けます。
この間、メリオダスをはじめとする仲間たちは彼を必死に捜索しましたが、ビビアンが証拠を一切残さなかったため、見つけ出すことはできませんでした。
キオンはこの期間中、ビビアンの手伝いをしながらも脱出のチャンスをうかがっていましたが、成功することはありませんでした。
この幼少期の辛い経験はキオンの心に深い闇を刻み、かつて純粋だった彼の瞳は徐々に濁りを増していきます。
ビビアンがドレファスやヘンドリクセンにも呪いをかけていたことから、キオンは彼女のことを「陰険ババア」と陰で呼んでおり、その感情は今も変わっていません。
ビビアンとの生活で性格に歪み
キオンはビビアンとの共同生活の中で、ある夜の出来事をきっかけに自身が精霊魔術師としての素質を持っていることを知ります。
探し物をしている最中にろうそくを落とし、床に火が落ちたはずが、それが消えずに炎の精霊サラマンダーへと変わったのです。
ビビアンによる指導の下、キオンは精霊魔術の才能を開花させ、一定の技術を身につけるに至りました。
その力を使って、ビビアンをシルフで窒息させる形で苦しめながら、彼女の元を脱出することに成功します。
脱出後、キオンは後にトリスタン隊で共に戦うことになる、イゾルデやジェイドと出会います。
しかしビビアンとの生活は、キオンに陰険な性格の歪みをもたらしました。
この性格の変化は、彼の人間関係における問題の根源の一つとなっています。
さらにキオンはその後、再びビビアンに誘拐されるものの、トリスタンによって救出されることになります。
この出来事が、キオンがトリスタンを深く崇拝するきっかけとなり、彼の中でトリスタンに対する過剰な忠誠心を芽生えさせる原因となっています。
この一連の体験は、キオンの性格形成において大きな役割を果たし、彼の行動原理や人間関係に深い影響を及ぼしているのです。
まとめ:過去の体験が性格に影響を及ぼす
キオンが読者から嫌われる理由は、彼の過去の体験とそれが彼の性格に及ぼした影響にあります。
特にビビアンとの関係から生じた心の傷は、彼の行動や他者との関係に悪影響を与えています。
トリスタンへの崇拝心は、その心の空虚さを埋める手段となっているかもしれませんが、それが原因で周囲との関係はさらに悪化しているのです。
キオンの物語は、過去の体験が人の性格に及ぼす影響と、その結果としての人間関係の複雑さを浮き彫りにしています。