話題の作品「ダンジョン飯」の中核をなすキャラクター、トールマン種族の「ライオス」に注目してみたいと思います。
この冒険世界において、主人公ライオスの力強さは広く認知されています。
彼は迷宮の深部への挑戦を果たし、剣技においても一流の腕前を持っています。
本作品では、こうしたライオスの異質な一面が際立っています。
そして彼はただ変わっているだけでなく、「サイコパス」とも見なされているようです。
それでは、ここで具体的にその理由を探ってみましょう。
ライオスの強さとサイコパスさの考察
久井先生が描く『ダンジョン飯』で、セイレーンたちを恐怖させる歌う冒険者(主人公)。
完璧に覚えた歌をセイレーンと共に歌いたいと願う、異色の冒険者(サイコパス)。
~Twitterより~
SNSの投稿からも伺える通り、ライオスは一風変わったキャラクターです。
通常なら敵対する魔物たちと交流を図り、彼らの生態に迫ろうとする姿勢が見られるからです。
セイレーンの歌に魅了され、一緒に歌うことに執着し、歌を完璧に覚えるまでの情熱を示します。
彼はこれを相手に示し、「最後まで歌いたい」と宣言すること自体、普通では考えられない行動です。
動く鎧まで「食べられるかも」と考えるほど。
そんな斬新な主人公こそがライオスなのです!
たった3日で迷宮の最深部に達成
シリーズ第一巻では、ライオスの妹ファリンが炎竜に飲み込まれるという、ショッキングな出来事が描かれます。
しかし実際には、ライオスたち一行は迷宮のボスである、炎竜のいる場所まで到達していたのです。
炎竜が守る最深部に挑むことは、彼らにとっての大きな挑戦でした。
炎竜を打ち倒せば目標達成となり、ライオスの卓越した冒険者としての資質が明らかになります。
彼らはたった3日でその地点に到達し、新参者のパーティーからも敬意を集めていました。
事前に危機を予測する能力
いくら強くても、魔物の縄張りや奇襲、未知の要因に直面した際、ライオスも困難に直面します。
特に印象的なのが、迷宮ウサギとの遭遇時です。
変異したファリンを捉えるため、大量のカレーを調理することになります。
この際、迷宮ウサギが食材として選ばれましたが、予想外の強敵に仲間が次々と倒れていきます。
素早いウサギはライオスに襲いかかり、彼の首筋を狙って攻撃します。
ウサギが姿を消した後、ライオスは血を吐いて倒れ込みます。
実は、迷宮ウサギの後ろ足には隠された刃があり、攻撃時にライオスの首を斬っていたのです。
ライオスはこの事態を見越し、首あてをマルシル(蘇生可能)に託していました。
彼の犠牲によりマルシルが死体を操り、ウサギを討ち、全滅の危機を回避しました。
ライオスならではの発想で、チームはこの難局を切り抜け、彼の閃きに感嘆したのです。
魔物を食べたいぐらい知識が豊富
ライオスは子供の時から魔物に対して深い関心を抱いており、その情熱は魔物を食べてみたいという願望にまで発展しました。
彼は「迷宮グルメガイド」という名の、食用可能な魔物の情報が詰まった事典を常に携帯しています。
マルシルやチルチャックにも「これは何の本?」「随分と古びているね」「メモがぎっしりだ」と驚かれるほどでした。
本にはたくさんの付せんが付いており、ライオスが長い間、魔物を食べる機会を探していたことが伺えます。
彼のこの熱心な取り組みは、魔物の生態や体の構造に精通することにつながり、それが彼の戦闘力を高める一因になっていると感じます。
剣技だけでなく、そのような知識も持っていなければ、強力なモンスターを倒すのは難しいので、ライオスの知識は重要だと言えます。
人間よりも魔物が好きな性格
ライオスは、他の冒険者とは一線を画す特異な存在で、チルチャックからは「お前、サイコパスじゃないか?」と言われるほどです。
彼は一般的に受け入れがたいとされる魔物の食用化を考え出し、その背景には魔物への深い興味と愛があるようです。
その極端なまでの情熱は、正直驚きです。
ライオスはモンスターへの愛着が強すぎて、「人間なんて二の次」とさえ考えているようです。
これは彼の仲間にとっても、信じがたい考え方でしょう。
ライオスの価値観は、
妹>仲間>魔物>他の人間
というもので、これは確かにサイコパスと呼べる思考です。
魔物すら引くほどのサイコパスな性格
ライオスは魔物に対して強い愛情を持っており、独自の方法で研究を進めています。
その結果、普通の人々が思いつかない手法で魔物に近づき、戦闘を避けたり奇襲を成功させたりしています。
例えばセイレーンとの出会いでは、彼女と共に歌うという驚くべき行動を取りました。
セイレーンは、冒険者が自分と歌を合わせるとは思わず、驚きを超えて「この人は何者?」と感じ、その場を立ち去ってしまいました。
ライオスは覚えた歌を最後まで歌いたがっていましたが、チルチャックに「急に歌を合わせるなんて、相当怖いぞ」と忠告されます。
長い付き合いのあるチルチャックでさえそう言うライオスは、他の人から見れば非常に異質でサイコパスな存在です。
魔物の素材や宝よりも味を知りたい
ライオスはモンスターへの情熱で、周りからも高く評価されている狂熱の愛好者です。
彼は単にその特徴や名前に留まらず、食用としても適した魔物の図鑑に没頭しています。
彼の魔物に対する関心は次第に高まり、自身で考えた怪物の絵を描くほどに至りました。
原作内では、ライオスは魔物に対して深い愛情を持ち、その外見や鳴き声、生態を詳細に学び、「味わってみたい」という思いに至ります。
これがもし人間であれば、間違いなくサイコパスと呼ばれるでしょう。
魔物への愛がどれほど強くても、実際に食べたいと思うかどうかは、また別の問題です。
魔物については、グルメガイドが存在する程度には食されていますが、冒険者の間ではそれが一般的ではないようです。
冒険者たちは一般的に、魔物を狩ってその素材を現金化するか、モンスターが隠している宝物を狙うものです。
したがって、「食べたい」と考えるのは稀なケースと言えます。
ダンジョン飯のライオスについてのまとめ
今回の内容をまとめます。
・魔物に対する熱意が非常に強い。
・剣士としても卓越しているが、時として魔物を人よりも優先することがある。
・セイレーンの歌をマスターし、それを歌って周りを驚かせる。
・魔物を実際に食べてみたいという強い欲求を持つ。
・迷宮のグルメガイドを細かくメモしながら熱心に読む。
・冒険者の中で魔物を食べることは、異端とされる。
今回は「ダンジョン飯」の主役、ライオスにスポットを当てて掘り下げてみました。
仲間たちからさえ「サイコパス」と見なされるほど、魔物への没頭が深いライオス。
魔物を食べたいとまで思うのは、極めて異例なことです。
その生態だけでなく、味も知りたがるとは、かなりの欲張り。
しかしそのような姿勢が、他の冒険者たちからは異質とみなされ、異端扱いされてしまいます。
自らの信念に従い、夢であった魔物を食べながら、妹のファリンを救出する道を進むライオス。
仲間たちも複雑な気持ちを抱えつつ、魔物を食べてダンジョンの最深部を目指します。
果たしてライオスはファリンを無事に救出できるのか・・・?
続編が待ち遠しいですね!
アニメも大いに期待されていますが、原作を再度読み返したり、アニメ化を機に新たに読み始めるのも一興です。