鬼滅の刃の中心人物の一人、竈門禰豆子がなぜ鬼に変貌したのか…?
その理由と、禰豆子の特性を詳しく解説します。
- ねずこは無惨の血を受けて鬼になった
- 禰豆子が血の呪いを克服した理由
- 禰豆子だけが鬼に選ばれた理由
- 鬼化した禰豆子が獲得した能力
- 鬼になった禰豆子の特徴
- 人間に戻るには無惨の濃い血が必要
- まとめ:禰豆子は他の鬼とは一線を画す存在
ねずこは無惨の血を受けて鬼になった
禰豆子が鬼になったのは、炭治郎を除く竈門家が鬼舞辻無惨によって襲撃され、無惨の血を受けたためです。
これが、ねずこが鬼化した原因です。
しかし家族の中で、なぜ禰豆子だけが鬼に変わったのか?
竈門家の血統と、どのように関係があるのかを探ります。
無惨は計画的に竈門家を襲った
竈門家を襲撃したのが無惨であることは、第196話で明らかになっています。
主人公の炭治郎は非常に優れた嗅覚を持ち、自宅を襲った鬼の臭いを覚えていました。
ある日、炭治郎が他の任務で浅草に出向いた際、襲撃時の鬼と同じ臭いを嗅ぎ取り、その結果無惨と遭遇します。
歴代で無惨に立ち向かえた鬼殺隊員は、わずかに2人。
炭治郎がその2人目です。
その前に無惨に立ち向かったのは、戦国時代の炭治郎の先祖、継国緑壱です。
無惨を発見することは困難で、未だ多くの謎に包まれています。
なぜ無惨は、竈門家を狙ったのでしょうか?
竈門家が住む山で青い彼岸花を探していた無惨が、偶然ではなく計画的に竈門家を襲ったという説が有力です。
公式では発表はありませんが、この説が最も信頼されていると考えられています。
無惨には他者を鬼に変える能力がある
禰豆子が鬼に変わったのも、鬼舞辻無惨によるものです。
無惨には自身の血を他者に与えることで、その者を鬼に変える能力があります。
禰豆子もその血を受け取り、鬼へと変貌しました。
禰豆子以外の家族は惨殺されたものの、彼女だけが鬼にされたのは、太陽に耐える鬼を生み出すための実験の一環として選ばれたからです。
無惨は鬼の起源であり不死が目的
鬼舞辻無惨は1000年以上前に最初の鬼となり、全ての鬼の起源であり鬼の頭領でもあります。
外見は普通の人間と区別がつかないため、浅草での出来事のように人々の中に紛れ込むことが可能です。
しかし、彼の体は7つの心臓と5つの脳を持ち、内部構造は人間とは大きく異なります。
無惨が鬼になったきっかけは、治療の失敗によるものでした。
彼は平安時代の産屋敷一族出身で、病弱であり20歳を迎えることは望めないとされていました。
彼の病を治すために試された新薬の原材料が、青い彼岸花です。
無惨の最終的な目的は、太陽に耐えることができる完全な不死の鬼となることです。
これを実現するためには、青い彼岸花を摂取し続けるか、太陽に耐えうる鬼を取り込むかが必要です。
そのために、1000年以上にわたって青い彼岸花を探し続け、鬼を増やしていく過程で大正時代までその活動を続けています。
無惨の血には人間を鬼に変える力が含まれており、現存する全ての鬼は無惨の血を受けて変化したものです。
無惨は血の呪いで鬼たちを監視
全ての鬼には血の呪いがかけられており、鬼舞辻無惨によって操られています。
この呪いは無惨が分け与えた血を通じて、鬼たちの思考を読み取ることが可能です。
視界内にいれば、鬼たちの全ての思考を把握することができます。
離れた場所にいても、無惨はその位置を知ることができるため、完全な監視体制が敷かれています。
この厳格なシステムの下では、無惨に対する裏切りや反逆は厳しく制裁され、鬼舞辻無惨の名を口にするだけで即座に命を失います。
鬼になる際に無惨の血を受け取るため、細胞レベルで無惨と繋がっています。
そのため、心の中で不満を抱えるだけで命が落とされることもあります。
このような厳しい呪いの下では、鬼たちの情報は隠され続け、無惨の詳細は謎に包まれていました。
炭治郎と禰豆子が登場するまで、鬼殺隊では無惨と対峙した隊士は存在しなかったのです。
禰豆子が血の呪いを克服した理由
なぜ、禰豆子は他の鬼と異なり、血の呪いから逃れることができたのでしょうか?
血の呪いを解くことができた鬼としては、200年前に鬼にされた珠代がいます。
珠代は無惨に鬼にされた後、自らの身体を操作して血の呪いを解除しました。
詳細な方法は明かしていませんが、珠代は人間の血を摂取せずに生きており、代わりに輸血パックを利用しています。
このような行動が無惨の血の影響を薄め、結果的に呪いが解けた可能性があります。
一度も人間を食べていないから
しかし、輸血をしていない禰豆子には、この説が当てはまりません。
禰豆子が血の呪いを解くことができた背景には、人を喰らわなかったという事実があります。
禰豆子は鬼化して以来、一度も人間を食べることなく生き延びてきました。
人肉や血を一切摂取せず、代わりに睡眠を通じて体力を回復しています。
一方で珠世は、過去には家族を含む多くの人間を喰らいました。
しかし、その後は人間の心を取り戻し、以降は輸血による最小限の血の摂取に留めています。
この二人の共通点が、血の呪いを克服できた理由です。
精神は支配されていないから
鬼になると、他者を襲って喰らう衝動が強まりますが、人肉を食べると無惨の細胞を活性化し、呪いとの結びつきを強化している可能性があります。
彼女らの行動は、鬼としての本能に逆らいながらも、人間としての道徳を保持し続けた結果、呪いの束縛から逃れることができたのです。
肉体だけでなく精神も鬼に支配されると、血の呪いの影響が強まるのではないかと考えられます。
禰豆子だけが鬼に選ばれた理由
竈門家が襲撃された事件は、一見すると全てが偶然に見えます。
しかし、なぜ禰豆子だけが鬼になったのか?は気になるポイントです。
この理由について説明します。
ねずこ以外は命を落とした
鬼舞辻無惨は家族全員に自分の血を与えましたが、禰豆子以外の家族はその力に耐えられず命を落としました。
表面上は惨殺されたように見えましたが、実際には全員が鬼化の過程を経ていたのです。
家族の中で禰豆子だけが、鬼として生き残ることができました。
太陽に耐える体質だったから
ねずこだけが生き残った事実は、禰豆子が特別に狙われたわけではなく、偶然生き残ったというものです。
具体的には、禰豆子が奇跡的に太陽に耐える体質を持っていたからです。
無惨は襲撃後、彼女の特異な体質に気づかずに去ってしまいました。
鬼化が進行している間に、太陽に耐える能力が発揮されるのに時間がかかったためです。
これにより無惨は、禰豆子の能力を認識することができなかったのかもしれません。
尚、炭治郎が無惨との最終戦で鬼に変えられた際に、彼の鬼としての強力な潜在能力が明らかになります。
この時、もし炭治郎が襲われていたら、無惨をも上回る強力な鬼が生まれてしまい、物語の展開が大きく変わっていた可能性があります。
鬼化した禰豆子が獲得した能力
人間でなくなった禰豆子は、新たに様々な能力を身につけました。
その能力について説明します。
血鬼術である「爆血」
鬼舞辻無惨は自らの血液で人間を鬼に変える、彼独自の特殊な能力を持っています。
一般的な鬼は人間を食べることで力を増し、それによって「血鬼術」と呼ばれる特有の技を習得します。
元々、禰豆子は鬼の素質を持っていたため、鬼化後は人間を食べなくても血鬼術を使うことができるようになりました。
禰豆子が初めて血鬼術を使用したのは、那田蜘蛛山編でのことです。
彼女の血鬼術は「爆血」と呼ばれ、自身の血液を爆発させ、血が付着した対象を焼却または爆裂させる能力を持っています。
この技の最大の特徴は、鬼の細胞のみを焼却できるため、人間には影響がない点です。
また、鬼の毒が体内に入った際の解毒作用も持っており、遊郭編でその能力が大いに発揮されました。
体の大きさを変える能力
禰豆子は鬼として、自らの体の大きさを自由に変化させることができます。
体を小さくすることにより、攻撃から逃れたり隠れることが可能です。
太陽を克服する前は、体を小さくして炭治郎が持つ箱の中に収まり、日中も移動が可能でした。
一方で、体を大きくするとその身体能力は著しく向上し、上弦の鬼とも互角に戦えるようになります。
しかし、このとき鬼としての本能が強まり、暴走する危険性も高まるという欠点があります。
無惨の血の量が多いから強い
禰豆子が上弦の鬼に匹敵するほどの力を持っているのは、最初に無惨から受けた血液の量が多かったためです。
無惨の血を多く受けることで、その力も増大します。
禰豆子は体を大きくすることで、さらに力を増幅させることができ、これが彼女が上弦の鬼と戦える理由の一つです。
彼女が初めて覚醒したのは、遊郭編での上弦の六・堕姫との戦いでした。
この戦いで、堕姫という過去に戦った鬼たちの中で一番無惨の血が濃い鬼を前にして、家族が殺された記憶が蘇ります。
炭治郎が倒れたことで、追い詰められた禰豆子は憎悪と怒りで覚醒します。
覚醒時には顔には大きな角が生え、髪が逆立ち、体中に枝葉模様の痣が広がりました。
覚醒した禰豆子は、人間としての要素が消失し、回復や再生能力、攻撃力、血鬼術のパワーが大幅に増加します。
しかし、覚醒と引き換えに人間としての意識を失い、鬼としての本能に支配され始めました。
この暴走を炭治郎は、母親の子守歌を使って止めることに成功しました。
鬼になった禰豆子の特徴
禰豆子が鬼に変貌してからの特徴は、一般的な鬼とは異なる点が多々あります。
人間を食べることのない彼女の行動や、その背後にある意味について詳しく見ていきましょう。
人を噛まないために口枷をしてる
禰豆子が着用している口枷(くちかせ)は、水柱である富岡義勇によって付けられました。
鬼として覚醒した禰豆子を富岡が医者のもとへと連れて行く途中、彼女の暴走を阻止するために採った措置です。
富岡は炭治郎が妹を守る姿勢や禰豆子自身の行動から、彼女が一般的な鬼と異なることを見抜き、人を傷つけないよう口枷を使用しました。
これにより、万が一の時に禰豆子が人を噛まないようにすると同時に、鬼特有の牙を隠す目的も果たしています。
精神的に幼くなり沈黙している
禰豆子は鬼になってから、主にうなずきや身振りでコミュニケーションを取ることが多くなります。
これは彼女が口枷をはめられているため、言葉を話すことができないからです。
しかし、その他の要因として、鬼になったことで知能が一部退化してしまった可能性が考えられます。
人間時代は家族の面倒を見る、しっかり者だった禰豆子。
しかし、鬼化に伴い精神的にも幼さが増し、以前のような複雑なコミュニケーションが困難になったとも考えられます。
そのため口枷がなくても、彼女が会話をすることは難しい状態である可能性が高いです。
精神力と暗示により人を襲わない
禰豆子が人を襲わない理由は、彼女の異常な精神力の強さによるものです。
鬼になると、本能的に人間の血肉を求めるようになります。
しかし、禰豆子はその強い衝動を耐え忍び、人間を襲うことなく生きています。
体力が極端に消耗した時には餓死寸前になり、ぼーっとすることやよだれが垂れることもありますが、彼女は常に理性を保ち続けています。
炭治郎と禰豆子は、富岡義勇の紹介で鱗滝左近次の下へ向かいました。
その場で禰豆子は、約2年間の長い眠りにつきます。
この間に鱗滝は、禰豆子に対して強い暗示をかけ、
「全ての人間を家族とみなし、鬼を敵としてみなす」
という信念を植え付けました。
この暗示が功を奏し、禰豆子は鬼であるにも関わらず、他の鬼と戦う力を保ち続けることができたのです。
睡眠でエネルギー回復ができる
禰豆子はどのようにして餓死することなく、食欲を抑えているのでしょうか?
通常、鬼は人間の血肉を食べて生きているため、食事が不可欠です。
しかし、禰豆子は食欲を抑えることに成功しました。
彼女は食事ではなく、睡眠を利用してエネルギーを回復させるように体質を改善できたからです。
先ほど紹介した長い2年間の睡眠は、ただの休息ではありません。
この期間、彼女の体は人を食べないように自己調整し、無惨の血の呪いを外すための重要な過程を経ています。
禰豆子にとって、睡眠は単なる休息以上の意味を持つ行為であり、彼女が鬼として生き延びる上で重要な部分を担っています。
人間に戻るには無惨の濃い血が必要
禰豆子が再び人間に戻る方法については、物語の中で医師である珠世が重要な役割を果たします。
彼女自身、過去に鬼舞辻無惨によって騙され、鬼と化した経緯を持ちます。
珠世は400年以上も人間の血を分けてもらいながら生き延び、他の人々を助けるために医者として活動しています。
炭治郎が珠世に出会った際、「鬼を人間に戻す方法はありますか?」との質問に対して、珠世は「方法がある」と回答しています。
ただし、完全な解決にはまだ研究が必要であり、禰豆子の血を調べることや、無惨の血が濃い鬼を倒し、その血を集めることが必要であると説明します。
この条件が炭治郎をさらに強くなるための動機ともなり、彼の鬼殺隊としての任務にも大きく関わっていきます。
珠世の研究が進むことで、禰豆子が人間に戻る可能性が開かれるわけですが、この出来事は炭治郎と禰豆子の運命を大きく左右することになります。
尚、のちに珠代としのぶが共同で「人間返り」の薬を開発し、これにより禰豆子は人間に戻ることができています。
まとめ:禰豆子は他の鬼とは一線を画す存在
この記事では、禰豆子がどうして鬼になったのか、そして人間に戻る可能性について掘り下げました。
禰豆子が鬼にされたのは、竈門家を襲った鬼舞辻無惨によるもので、家族全員が太陽を克服する鬼への実験台として利用されましたが、唯一生き残ったのが禰豆子です。
鬼となった彼女は、他の鬼と異なり人間を襲わずに生きる方法を見つけ、その精神力と体質の改善により、一般的な鬼とは一線を画す存在として描かれています。