この記事では、漫画【推しの子】に登場するツクヨミの正体を解明します。
アクアとルビーの前で不可解な言葉を残し、その場を去るツクヨミの真の姿は何か、解析してみましょう。
推しの子のツクヨミとは?
見た目は幼い少女のようなツクヨミですが、アイがシングルマザーであることやアクアとルビーが転生者であることを認識しています。
これらの情報はごく限られた者たちのみが知る事実であり、ツクヨミがこれを知っていること自体が謎を深めています。
初登場は8巻75話
ツクヨミが最初に登場したのは原作の8巻75話で、多くのカラスを引き連れての登場でした。
アクアとあかねがアクアの前世の人物、雨宮吾郎の家を訪れた際にツクヨミが現れます。
その際、遠くからアクアを見守りながら、
「神様はきっと優しいよね」
「本当の意味で母を得られなかった二人と、魂の無い子を導いてあげた」
「もしかすると、それ以上の意味があるのかもしれない」
とつぶやきました。
この場面からツクヨミが、アクアとルビーの真の性質を把握していることが示されています。
カラスにゴローの遺体を発見させる
ツクヨミの2回目の登場は、8巻79話に記録されています。
ルビーのルームキーを奪ったカラスが向かった先で、吾郎の遺体が発見されました。
これはツクヨミが、ルビーを誘導して遺体を見せたと推測されます。
宮崎県の高千穂を訪れていたルビーは、MV撮影中に突如現れたカラスにルームキーを奪われました。
そのカラスを追った結果、アクアは白衣を着たメガネをかけた白骨化した遺体を発見します。
その遺体のポケットからは、天童寺さりな(ルビーの前世)が吾郎に渡したキーホルダーが見つかり、ルビーはその遺体がゴローであることを確信します。
ルビーが吾郎の遺体を目の前にしたとき、ツクヨミが現れ、
「私はお姉さんが知りたい情報、何でも持ってるよ」
「以前、ここで有名なアイドルが極秘に出産し、その際亡くなったお医者さんはその子の担当医だったの」
「その医者は長い間音信不通で、最後に連絡が取れなくなった日はアイドルが子供を産んだ日だったんだ」
「病院の周辺には当時、大学生くらいの男性と、中学生ぐらいの少年が見かけられたそうよ」
と告げます。
アクアから疫病神と呼ばれる
ツクヨミは初登場時から多くのカラスを伴い、自身もカラスのような黒いドレスを纏っていました。
そのためか、彼女の雰囲気は非常に陰鬱です。
ツクヨミがルビーに伝えた情報は、ごく限られた人物しか知り得ない内容です。
特に担当医に関する話は、吾郎やその転生体であるアクアしか知らないはずですし、不審な男に関する情報も彼らだけの知識です。
これら誰もが知り得ない情報を把握している点で、ツクヨミの怪しさが強調されます。
その意味深な行動から、ツクヨミはアクアに「疫病神」というレッテルを貼られます。
ツクヨミがルビーの復讐心をあおる
ルビーはツクヨミが投げかけた言葉によって憎悪が煽られ、復讐に燃えるような行動を取るようになります。
ルビーはアイを攻撃したのが大学生の男だと認識していたため、中学生の少年の存在についてツクヨミに尋ねます。
ツクヨミは冷静に、
「それはアナタが見つけるべき役目ではないの?」
と返答します。
元々、ルビーは母アイのようになることを望んでいましたが、ツクヨミの言葉でアイの死に関与した者が吾郎にも手をかけていた事実を知り、心境に変化が生じます。
かつて吾郎を「せんせ」と呼び慕っていたルビーにとって、この新たな知識は犯人に対する怒りをさらに燃やす材料となりました。
映画でアクアとルビーを演じる
その後のツクヨミについてですが、13巻127話で、映画「15年の嘘」で子供時代のアクアとルビーを演じるようアクアから直接依頼されます。
最初はこれを拒んでいたツクヨミですが、アクアの挑発に乗って最終的には出演を決めます。
演じる際には「ツクヨミ」という芸名を使い、子どもであるにもかかわらず保護者の同意なしに自らの意志で契約を結びます。
この振る舞いからもツクヨミの異常性が感じられ、不気味な印象を与えます。
ツクヨミの正体は誰なのか?
現段階でツクヨミの正体を明確に特定するには、十分な証拠がありません。
これまでの展開を通じて、ツクヨミの不気味さや謎がさらに深まるシーンが多く見られました。
吾郎とさりなが助けたカラスの転生
145話で描かれるツクヨミが子供時代のアクアとルビーを演じるシーンから、ツクヨミが「さりなと吾郎に救われたカラスの転生体」であることが判明します。
ツクヨミがカラスの姿でベリーをついばもうとしてネットに引っかかり、さりなに見つけられ、吾郎に治療を受けたことが描かれています。
これによりツクヨミが、アクアとルビーの過去の人生を知る理由が説明されます。
名前の由来は月読命か?
ツクヨミという名前は、多くの謎を内包していますが、一部のファンは「月読命(つくよみのみこと)」と関連付けています。
月読命は、日本の神話において夜の国を統治するとされる神格化された月の神で、古事記や日本書紀に登場します。
伊邪那岐命(いざなぎのみこと)によって生まれた三貴神の一人で、他には太陽神の天照大御神(あまてらすおおみかみ)、そして八岐大蛇(やまたのおろち)を退治した須佐之男命(すさのおのみこと)がいます。
天宇受賣命や八咫烏が正体とする説も
アクアを須佐之男命、ルビーを天照大御神と対比する説も存在します。
しかし、月読命についての具体的な神話上の行動は少なく、確定的な結論には至っていません。
また、天宇受賣命(アメノウズメノミコト)や、導きの神である八咫烏(やたがらす)がツクヨミの正体であるとする説もあります。
どの説も一定の説得力を持つものの、作品中で断定的な説明がなされていないため、今後の展開を見守りつつ、さらに深めていくことが望まれます。
まとめ
この記事では、漫画【推しの子】のキャラクター、ツクヨミの正体について検証しました。
・ツクヨミは、吾郎とさりなに助けられたカラスの転生体であることが明らかになりましたが、その核心に迫る証拠はまだ不足しています。
・ツクヨミは謎に包まれた少女で、アクアとルビーが転生者であることを知っています。
・常にカラスを伴っており、アクアからは「疫病神」と称されています。
・ルビーに吾郎の遺体を見せ、彼女の復讐心を煽る行動を取りました。
・映画「15年の嘘」で、アクアとルビーの子供時代を演じました。
・ツクヨミの正体に関しては、月読命や天宇受賣命など複数の説が存在しますが、確定的な答えはまだ得られていません。
ツクヨミの真の正体については、今後の物語の進行とともに明らかになることを期待しつつ、さらなる情報を待ちわびることにしましょう。
ツクヨミが持つ多面的な正体や複雑なバックストーリーは、単なるキャラクターの謎解きを超えて、運命や再生、因果関係についての哲学的な考察を促しています。
特に、彼女がカラスの転生体として描かれることで、自然や生命のサイクル、そしてそれが人間の運命にどのように関与しているか?についての思索を呼び起こします。
また、ツクヨミが知識を持っているという設定は、知識がどのように人物の運命や周囲との関係を形成するか?
また、その知識をどのように扱うべきか?という問題を投げかけるものです。
彼女がアクアとルビーに関連する重要な情報を知っていることから、知識の力と責任についても読者は考えさせられるでしょう。
さらにツクヨミが関与する多くの出来事が、彼女の周囲の人々に深い影響を与えています。
これにより、人間関係における行動の連鎖反応や、個々の選択が周囲にどのような影響を及ぼすか?というテーマも浮かび上がります。
ツクヨミがルビーの復讐心を煽る場面などは、情報や行動がどのように他者の感情や行動に影響を与えるかを示しているのです。
このようにツクヨミを通じて、個々の選択と運命、知識と責任、そして人間関係の複雑さについて読者に深く考えさせる機会を与えています。
読者はこれらのテーマを自分自身の人生や、周囲との関係に置き換えて考えることもできるでしょう。
この物語がどのように展開し、最終的なメッセージが何であるかを見極めることは、引き続き興味深い過程となるはずです。