「鬼滅の刃」における水の呼吸の達人、冨岡義勇。
彼は炭治郎と最初に出会う柱であり、炭治郎が鬼殺隊への入隊を決意する重要な人物です。
彼には様々な名言が存在しますが、以下のような発言を覚えていますか?
「俺は水柱じゃない」 (単行本15巻130話より)
義勇がなぜ、このような発言をしたのでしょうか?
この問いは「柱稽古編」にも密接に関連しています(アニメ5期)。
この記事で詳しく解説していきます。
冨岡義勇は本当に水柱ではないのか?
義勇は、鬼殺隊で最高位に位置する柱の一人として「水柱」を務めているはずです。
しかし彼の寡黙な性格が災いし、他の柱との間でしばしば摩擦を生じます。
特に、柱稽古中に「俺は水柱じゃない」と発言したことで、仲間内の雰囲気がピリピリとしてしまいます。
その発言の背後にある真意やセリフの意図を、ここで掘り下げていきましょう。
圧倒的な実力者であり努力家
義勇は柱の中でも非常に強く、全集中・水の呼吸を完璧に使いこなしています。
元水柱、鱗滝左近次のもとで修行を重ね、「壱~拾」の型だけでなく、独自の「拾壱の型」を開発するほどの実力者です。
彼は作中で炭治郎が手を焼いた、十二鬼月の下弦の伍・累を圧倒するほどの力を見せつけています。
ただ、義勇が鬼殺隊に加わった当初は、特別な体質を持っていなかったため、最終選別での初戦で雑魚鬼に苦戦し、重傷を負うほどでした。
彼の能力の花開きは、彼自身の厳しい訓練と努力によるもので、他の柱である煉獄杏寿郎も義勇を「努力家」として高く評価しています。
そして今や彼は、誰もが認める水柱としての地位を確立しています。
発言は単なる戯言であった
義勇は他の柱と比べて、腕力や機動力を持っているわけではないですが、努力によって築き上げた堅実で安定した強さを持ちます。
彼がどうして「俺は水柱じゃない」と発言したのか…その理由は興味深いですよね。
この発言は柱稽古を行う際、鬼殺隊内の隊士や柱たちが参加する訓練を断る時に義勇が口にしたものです。
柱稽古への参加を避けたい義勇は、何度も参加を求める仲間を断る際にこの言葉を使いましたが、本来寡黙で人との交流が苦手な彼が、その口実として使ったと考えられます。
実際には義勇も柱稽古に参加しており、この発言は後に単なる戯言であったことが明らかになります。
柱稽古への不参加の背後にある理由
鬼舞辻無惨との最終決戦に向けて始まった柱稽古ですが、義勇はこれに参加しようとしません。
人と関わるのを避けているからではなく、他に深い理由が隠されていました。
柱の資格がないと感じている
以前にも触れたように、義勇は鬼殺隊の最終選別で重傷を負いました。
鬼との戦いで意識が朦朧とする中、義勇はある人物によって救われ、そのおかげで選別を乗り越えることができました。
その救助者は戦いの最中に命を落とし、
「自分は生き残ったが、ただ生かされただけ。自分は本当に柱にふさわしいのか…?」
と自己疑念にかられます。
そのため、義勇は自分には柱としての資格がないと感じ、「俺は水柱じゃない」という言葉を口にしてしまったのです。
では、その救助者とは一体誰だったのでしょうか?
過去の錆兎や蔦子との出来事が関係
義勇を最終選別で救ったのは、炭治郎とも繋がりのある錆兎でした。
錆兎は選別において、義勇と一緒に試験を受け、襲来する鬼を単独でほとんど倒し、危機に瀕した他の参加者を救いながら生き残りました。
意識が朦朧とした状態から覚めた義勇にとって、試験の終わりに錆兎が死んでいるのを目の当たりにし、自身が何もできなかった事実に苦悩します。
また義勇の姉、蔦子も重要な役割を果たしています。
彼女は幼い義勇を守るために鬼に殺され、義勇の羽織のデザインに彼女の記憶が込められています。
左側の赤色無地の部分が蔦子の形見であり、亀甲柄の部分が錆兎の形見となっており、2人の遺志が義勇に引き継がれています。
炭治郎の言葉が義勇の心を動かす
炭治郎の一言が、頑なに柱稽古への参加を拒んでいた義勇を改心させました。
炭治郎は4日間にわたり、義勇に対して柱稽古への参加をしつこく迫ります。
義勇がついに口を開き、炭治郎に自分の過去と真意を打ち明けた時、炭治郎は彼に重要な言葉を投げかけます。
「義勇さんは錆兎さんから託されたものを、繋いでいかないんですか?」
この一言によって、義勇は過去に錆兎から叱責された際のショックを思い出します。
それは、自分が姉の蔦子の気持ちに気づかなかった時、錆兎が叱ってくれた瞬間でした。
義勇は、姉と錆兎が守ってくれた自身の命と、錆兎から託された使命を思い出し、ついに柱稽古に参加する決心を固めました。
炭治郎が固まった義勇に対し、ざるそば早食い対決を提案するシーンが、どのようにアニメで描かれるのかも注目されます。
冨岡義勇が柱稽古に参加しなかった理由のまとめ
冨岡義勇が柱稽古に参加しなかった理由は、主に次の通りです。
・義勇自身が自分を水柱としてふさわしくないと感じているから。
・錆兎や姉、蔦子との過去が深く関わり、柱としての自身の資格を疑っているため。
この記事を通じて、義勇が柱稽古に参加しなかった理由について詳しく解説しましたが、彼と錆兎との接点が明らかになり、多くのファンにとって新たな発見となったことでしょう。
また、義勇の羽織に込められた錆兎と蔦子の思いを知ることで、キャラクターデザインの深い意味に感動するファンも多いはずです。
「柱稽古編」が2024年5月よりアニメでスタートしています。
この機会に「鬼滅の刃」を読み返し、キャラクターたちの魅力を再発見してみてください。