「青の祓魔師 島根啓明結社篇」では、藤本獅郎は登場しません。
それでも獅郎は、奥村燐と雪男にとって非常に重要な存在であり、燐にとっては決して忘れることができない人物でもあります。
今回は藤本獅郎の正体とその能力、クローン疑惑について迫ります。
藤本獅郎はクローン?真相に迫る!
藤本獅郎は以前、聖騎士として正十字騎士團の中で尊敬を集めていました。
しかし、アーサーという後任の聖騎士からは、見下されることも・・・。
それでも、メフィストや明陀宗の勝呂達磨など、重要な人物たちとの関係を持ち、広範なネットワークを構築していたのです。
正体はアザゼルのクローン
藤本獅郎は表面上は、ただの人間として知られていますが、実はアザゼルのクローンであることが判明しています。
ルシフェルには自らの受肉した身体が、次第に劣化していくことへの認識がありました。
この問題を解決するために、正十字騎士團はアザゼルの遺伝情報を用いて、クローン体を制作する計画を立てます。
この計画の結果として生まれたのが藤本獅郎で、彼はアザゼルのクローン体として特別な役割を担っているのです。
奥村燐と雪男の育ての親
藤本獅郎は奥村燐と雪男の兄弟にとって、養父としての役割を果たしています。
獅郎は「親がいなくても子は育つ」という信念を持ち、そのモットーに基づいて燐と雪男を育て上げました。
特に幼い頃から悪魔が見える能力を持っていた、雪男を祓魔師として訓練する一方で、燐には自身が祓魔師である事実を隠し続けます。
養父として、2人を実の息子同様に愛して育てた藤本獅郎の存在は、兄弟にとってかけがえのないものであったと言えるでしょう。
南十字聖堂院に仕える神父
藤本獅郎は、東京に位置する正十字学園町に建てられた、南十字聖堂院の神父としての役割を担っています。
この聖堂院は、祓魔師を養成する祓魔塾を敷地内に持ちます。
また学園の地下には、正十字騎士團日本支部の基地が存在しています。
学園の理事長であるメフィスト・フェレスの指導のもと、中級以上の悪魔が侵入するのを防ぐための結界も設置されており、安全対策は万全です。
しかし、藤本獅郎の立場は「表向きは南十字聖堂院の神父」とされており、その背後にはさらなる重要な任務が隠されているのです。
医師免許を持つ多才な人物
藤本獅郎はその才能の幅広さを証明するように、医師免許も持っています。
医工騎士としては医者以上の知識が求められるため、その免許を取得するのは非常に困難です。
獅郎の多才さは、「ちゃらんぽらんに見えて実は非常に優秀」という評価を受ける根拠となっています。
また、雪男も獅郎がかつて担当していた、悪魔薬学1年生の講師を引き継ぐほどの優秀さを示しており、彼もまた医師免許の取得を目指している様子です。
獅郎の圧倒的な強さと能力を分析!
藤本獅郎は、アザセルのクローンだったのです。
この事実を自身も認識しており、同じ顔を持つ他のクローンたちとの共同生活よりも、外の世界で自由に生活することを望んでいました。
そのため、幼少期には頻繁に実験施設から脱出していました。
また、奥村燐が示す時折無鉄砲な行動力も、実は獅郎から受け継いだ性質かもしれません。
次に藤本獅郎の非常に高い戦闘能力と、特異な力について解説します。
パラディンの称号を獲得
藤本獅郎は正十字騎士團内で最も権威ある、パラディン(聖騎士)の称号を有しています。
パラディンの称号を得るためには、5つの異なる称号を獲得する必要があります。
さらにこの貴重な肩書は、同時に1人だけが保持することが許されています。
藤本獅郎は捉えどころのない人物ですが、獅郎の非凡な実力は疑う余地がないことが明らかです。
・ナイト(騎士)
・テイマー(手騎士)
・アリア(唱騎士)
・ドラグーン(竜騎士)
・ドクター(医工騎士)
これらのうち、1つでも獲得すれば祓魔師としての資格が認められますが、獅郎は5つ全てを獲得し、その卓越性を示しています。
サタンの憑依に耐える身体
藤本獅郎は、その身体が魔神サタンに憑依されても、耐えうるとされています。
獅郎は正十字騎士團のパラディンであり、生まれながらにして魔人サタンの息子、つまり極めて強大な力を持つ存在を、育て上げることができるほどの力を持っていました。
しかし、藤本獅郎の正体がアザセルのクローンであるため、本来であれば魔人サタンが受肉しやすい身体を持つはずです。
それにもかかわらず、獅郎は燐が中学を卒業するまでの間、サタンの憑依を耐え抜いていました。
15年間も憑依を耐え抜いてきた
藤本獅郎はその強靭な精神力で、魔神サタンの憑依に耐え続けています。
獅郎の最大の弱点は、自らが15年間育て上げた奥村燐の存在です。
燐から「2度と父親ぶるな!」と言われたことがショックで、その精神的な隙が魔人サタンの受肉を許してしまう原因となったからです。
この燐の一言が、15年間もサタンの憑依を耐え抜いてきた獅郎が、力尽きるきっかけとなってしまったのです。
戦闘では主に銃火器を使用
藤本獅郎はその卓越した戦闘技術で、多数の悪魔を退治しています。
獅郎は戦闘では主に銃火器を使用し、その戦術はパラディン(聖騎士)にふさわしいと評されるほどです。
また、獅郎は行動派で直接的な手法を好む一方で、冷静に事態を分析するタイプでもあります。
このバランスの良さが、悪魔に隙を与えない要因となっていると見られます。
ヤマタノオロチを一人で討伐
藤本獅郎は伝説的な存在である、ヤマタノオロチを1人で倒せるほどの実力者です。
特に、ヒュドラとも称される超上級種の龍神、八郎太郎大神を単独で討伐したことは、その能力の証明とされています。
後任のアーサーからは、
「最も相応しくないパラディンだった」
と評されることもありますが、日本支部には獅郎を尊敬する祓魔師が数多く存在しています。
また、獅郎の使い魔であった猫叉の「クロ」も、人間に忘れ去られた悲しみを理解してくれる獅郎に深い忠誠を示していました。
多面的な経歴を持つ生涯と若年期
藤本獅郎は奥村兄弟の養父として亡くなった後も、物語の中で回想シーンを通じて頻繁に登場し、その存在感は非常に大きなものです。
獅郎は、
・正十字教会の神父
・正十字騎士團の祓魔師
・祓魔塾の前悪魔薬学1年生担当講師
という多岐にわたる役割を持っており、その人生は非常に多面的であることが伺えます。
ここからは、そんな藤本獅郎の過去や若い頃について解説します。
幼少期にユリ・エギンと出会う
藤本獅郎は、候補生としてその日々を過ごしました。
幼少期、自由を求めて何度も実験施設からの脱走を試み、その過程でユリという重要な人物と出会います。
その後、メフィストとの交渉を経て、正式な候補生となります。
短期間で目覚ましい成果を挙げ、あっという間に上級祓魔師の地位を獲得。
クローン体に課されるとされる厳しい候補生の訓練も、獅郎にとっては比較的容易なものであったようです。
ユリから恋愛感情を持たれていた
藤本獅郎に対して、ユリ・エギンが恋愛感情を抱いていたとされています。
ユリは、サタンとの間に奥村燐と雪男をもうけましたが、その動機は
「守りたい」「救いたい」「正したい」
という感情に基づいており、純粋な恋愛感情からではなかったとの見方があります。
ユリは初めて獅郎と会った時から、好意を持っていましたが、獅郎自身はその感情を共有していなかったようです。
サタンの子供を産むことによって、引き起こされた悲劇の中で、ユリはシェミハザの指示により殺害されかけましたが、獅郎が彼女を救出し一緒に逃亡します。
最終的にユリは命を落としますが、その遺体が騎士團の実験に使われることがないよう、獅郎自らが彼女の遺体を荼毘に付したのでした。
まとめ
藤本獅郎の物語は、多面的で複雑な背景によって、非常に興味深い展開を見せます。
正体がアザゼルのクローンであるという事実は、獅郎の存在と行動にさらなる重みと意味を与えています。
獅郎は、奥村燐と雪男という二人の養子に対して、深い愛情と責任を持って接しており、彼らの育成において重要な役割を果たしています。
獅郎の指導のもと、燐と雪男はそれぞれ異なる道を歩むことになります。
しかし、彼らにとって獅郎の存在は父親としてのみならず、精神的な支柱としても非常に大きなものであったことが伺えます。
また、獅郎が南十字聖堂院の神父として、また正十字騎士団の一員として活動していたことは、獅郎の社会的な立場と影響力を示しています。
獅郎の背後には、ただの神父としてだけでなく、複雑な任務や秘密が隠されていたことも、物語に深みを与えています。
獅郎が医師免許を持つことからは、高い知識と多才さがうかがえます。
獅郎は、ただ戦闘に秀でたキャラクターではなく、医療知識も持ち合わせているため、その能力を多方面で活用しています。
戦闘だけでなく、治療においても重要な役割を担っており、その全ての側面で価値と貢献が認められています。
藤本獅郎の生い立ち、彼が育てた子供たちへの影響、そして彼が達成した多くの功績は、物語全体に重要なテーマとメッセージを発信しています。
獅郎の人生は、運命と自由意志、愛と責任、そして個人が社会に与える影響といった深い問題を探求するための舞台となっているのです。