『天官賜福』の物語の中で、特に神秘的で興味深い存在として描かれているのが、包帯で顔を覆った少年、郎蛍(ランイン)です。
この謎に包まれた少年は、太子殿下と奇妙な縁で結ばれており、彼の登場は物語に新たな深みを加えています。
郎蛍がどのような存在であるのか?
そして彼の顔に残る、人面疫の跡の謎について、詳細に探っていきます。
包帯の少年・郎蛍の謎を解明!
天官賜福に登場する郎蛍は、その神秘的な外見と包帯で覆われた顔が印象的なキャラクターです。
彼の正体と過去に隠された物語は、読者や視聴者の好奇心をかき立てます。
この記事では、郎蛍がどのような存在なのか?
そして彼の過去と現在が、どのように絡み合っているのか?について深掘りしていきます。
また、彼の顔に残る人面疫の跡の理由と、その意味についても解説します。
正体は永安国の失われた太子
包帯の少年、郎蛍の正体は、驚くべき事実に包まれています。
彼は太子殿下の出身国、仙楽国を滅ぼした国、永安国の皇子であり、新しい王朝で太子と呼ばれる立場にあったはずの人物です。
太子殿下はこの少年に名前がないことに注目し、彼を世話していた少女・小蛍(シャオイン)の名前からインスピレーションを受けて、「郎蛍」と名付けました。
この名前は、彼がかつて持つはずだった、皇子としての地位を暗示しています。
太子殿下自身が、この因縁に気づいていたのかどうかは不明ですが、過去との深いつながりを感じさせます。
人面疫に罹患し存在を抹消された
包帯を巻いた少年、郎蛍の顔には「人面疫」による赤い痕跡が残っています。
それが原因で彼の本来の立場が奪われ、存在自体が抹消されたと考えられます。
人面疫は約800年前に太子殿下の国、仙楽国で流行した伝染病で、国の滅亡を招いた要因の一つです。
この病気は、体の一部に人の顔のような形のできものが現れ、進行するとその顔が話したり、食物を摂取するようになるという特異な症状が現れます。
患部を焼いたり切り除いたりしても、回復しない人面疫は、最終的に死に至る恐ろしい病です。
仙楽国では多くの国民が、この病により命を落としました。
一方、永安国では、この病がごく一部の地域でのみ流行します。
郎蛍がその地域で感染してしまったため、他の皇族が感染することがないように、彼は厳重に隔離され、存在しなかったかのように扱われたのです。
顔になぜ人面疫の跡があるのか?
人面疫は800年前に撲滅されたはずの疾患です。
少年の顔に、どうして人面疫の痕が残っているのでしょうか?
鬼だから800年も生存している
人面疫は800年前、仙楽国の滅亡と共に絶滅した疾患です。
しかし、包帯の少年の顔にこの病跡が見られる理由は、少年が人間ではなく鬼であるため、800年以上も生き延びているとされています。
原作小説の第2巻までの情報では、この説の真相ははっきりしません。
中国における「鬼」は英語で「ghost」と訳され、これは幽霊を指します。
人が強い未練や恨みを持って亡くなると、その霊が鬼に変わると言われています。
もし、皇子としての栄えある人生を人面疫によって奪われたとしたら、郎蛍という少年が遺恨を抱えているのも無理はありません。
太子殿下は人面疫を見抜いた
太子殿下は、包帯の少年を目の当たりにして大きく驚きます。
少年の顔の赤い痕跡を、即座に人面疫の跡と見抜いたからです。
これは、かつて仙楽国で人面疫の蔓延を防ごうと、命がけで尽力した太子殿下の過去が影響しています。
その努力が虚しく多くの命が失われ、太子殿下はさまざまな事情から、永安国に疫病を広めてしまおうとするほど追い詰められました。
詳細は原作小説の第4巻で明らかになりますが、続きが気になるところです。
花城と包帯の少年には接点がある?
花城(ホワチョン)は、鬼市で迷子になっていた包帯の少年を自ら問い質し、自分の側に置くことを考えます。
しかし、鬼であることに気が付いたのか、その態度は決して優しいものではありません。
原作の最終巻を読んだ読者によると、800年前の花城と包帯の少年には何らかの接点があるとのことです。
包帯の少年が鬼であれば、800年以上の長い命を持つことになり、その存在自体が大きな力を秘めていることが考えられます。
この物語の結末については、非常に興味深いところです。
まとめ
「天官賜福」の物語に登場する包帯の少年・郎蛍について、その正体と人面疫の跡の理由を詳細に解説しました。
・包帯の少年の名前は郎蛍(ランイン)
・正体は仙楽国を滅ぼした永安国の太子
・人面疫に罹患し、その存在が消された
・顔に人面疫の跡が残るのは、800年以上生き続けているから
・太子殿下が少年に驚いたのは、悲しい過去を思い出したから
・花城が少年に厳しくするのは、鬼であることを認識しているから
「天官賜福」の魅力の一つは、初めは脇役と思われていた人物が、予想外の形で重要な役割を果たすことです。
郎蛍もその一例で、太子殿下にとっては痛みを伴う過去を持つ人物ですが、それでも彼を温かく見守り育てる太子殿下の姿が感動的ですね。