天官賜福に登場する太子殿下、謝憐。
彼の生い立ち、地位、能力、過去の出来事について、原作小説の第2巻までの詳細を掘り下げています。
謝憐とはどんな人物で何者なのか?
まず初めに、謝憐(シエリェン)のプロフィールを詳しく解説します。
通称 太子殿下・殿下・兄さん(花城)・仙楽(君吾)
寺院名/称号 仙楽太子として太子殿に奉られる
法宝 若邪(包帯のような絹布)・芳心剣
誕生日 7月15日
年齢 17歳? ※800年前に初めて天界に昇った際の年齢
身長 178cm
性格 穏やかで礼儀正しく、義侠心に溢れる
特技 剣術、料理(三郎のみが完食可能)
穏やかで礼儀を重んじる性格
800年前に武神として天界へと昇った男性、謝憐。
彼は7月15日に生まれ、身長は178cmで、穏やかで礼儀を重んじる性格の持ち主です。
彼の年齢は明らかでないものの、17歳で初めて天界に登ったことは記録されています。
外見はその後数年が経過したかのように見えますが、現在の具体的な年齢は不明です。
作中では女性役を務める
「天官賜福」はもともと中国発のBL(Boys Love)小説で、謝憐は作中でよく女性役(受け)を務めています。
彼の主なパートナーは花城(ホワ・チョン)で、この関係では彼が男性役(攻め)を演じています。
仙楽国の王子として生まれる
謝憐は元々、仙楽国の太子、つまり国王の息子として知られていました。
彼は皇極観という施設で修行し、他の誰よりも卓越した剣術を身につけたのです。
その皇極観での日々の中で、彼は下働き(掃除など)をしていた慕情(ムーチン)と知り合います。
慕情は貧しい家庭出身で、父親が罪人でした。
しかし、謝憐の特別な許可を受けて一緒に修行をする機会を得たことが、慕情の運命を大きく変えることになります。
また、謝憐が14歳の時から彼の護衛を務めることになった風信(フォンシン)とも、この時期に深い絆を築いています。
厳格な禁欲生活を送っている
謝憐は皇極観の規則に従い、男女問わず性的な接触を避ける禁欲生活を守っています。
そのため、地師を救出する目的で鬼市に足を踏み入れた際、お姉さんからの誘いに対して「病気です」と答えて断っていました。
(原作では「勃たないんです」と表現されています)
慕情もこの同じ規則に沿って、日々を送っています。
謝憐は剣術が抜群に強く非凡な才能
謝憐の能力や特技、そしてその力の源について探ります。
謝憐が最も優れているのは剣術であり、その腕前は天界においても特筆されています。
「四名景(よんめいけい)」と称される彼の剣術は、人間時代の四大エピソードの一つ「太子悦神」(太子が神を悦ばせた)で知られ、彼の技の見事さを象徴しています。
特に鬼市編での出来事が、謝憐の剣技の素晴らしさを際立たせています。
鬼市編では、花城と郎千秋(ラン・チエンチウ)の間の戦いに介入し、迅速な動きで二人の攻撃を巧みに防ぎました。
その速さは目にも留まらぬほどで、その場にいた郎千秋が彼の過去の武功に気づく瞬間でもありました。
花城のような絶の鬼の攻撃さえ受け止める謝憐の技量は、彼の非凡な強さを如実に示しています。
若邪と名付けられた絹布の法宝
謝憐が使用する法宝、若邪(ルオイエ)は特別な絹布です。
法宝、または「ほうぼう」とは、神通力を持つ神秘的なアイテムを指します。
残念ながら若邪は彼の両親、仙楽国の国王と王妃が自ら命を絶った際に使用された悲しい歴史を持つ布です。
その後、どのような経緯で若邪が意志を持つようになったのかは不明ですが、謝憐の命令に応じることもあれば、そうでないこともあります。
また、花城が持つ湾刀厄命(オーミン)が謝憐に撫でられると喜ぶように、若邪も「誰か信頼できる人を連れてきて」と命じられた際には、忠実に三郎を選んで来るなど、使役する人の心と同調する性質を持っています。
手料理の唯一のファンは三郎
太子殿下、謝憐が作る料理を完食できるのは、三郎/花城のみです。
周囲の人々、例えば慕情は、「ご飯を作ってあげよう」という提案を受けると急に用事を思い出し、明らかに慌ててその場を離れます。
アニメ版では、彼が闇鍋のような汁物を作るシーンがあり、その味がどうなのか興味深いところです。
しかし、三郎だけが平然とその料理を食べることができるのは、やはり彼の深い愛情の表れかもしれませんね。
謝憐の苦難に満ちた過去を探る
謝憐の背負ってきた過去は、数々の困難と苦悩に満ちています。
彼の過去には、どのような出来事があったのでしょうか?
仙楽太子時代に花城と出会う
謝憐が仙楽太子として知られていた時代、彼は花城と出会いました。
この二人が最初に出会ったのは、国家レベルの祭りで謝憐が「太子悦神」という演武を披露していた時です。
演武の最中、城壁から落ちそうになる子供を発見した謝憐は、その子供を空中でキャッチし助けました。
この子供が花城です。
飛翔後も仙楽国の滅亡を防げず
謝憐は17歳で天界へと飛翔し、神官となります。
その後、慕情と風信が彼によって点将され、中天庭で神官としての地位を得ることになりました。
当時、仙楽殿にて仙楽太子として祀られていた謝憐は、多くの信者を集めます。
そして、故郷である仙楽国に発生した大干ばつにより、国民が苦しんでいる様子を目の当たりにし、直接的な救済を試みる決意をします。
神官が人界に干渉することは禁じられていましたが、謝憐はこの禁忌を犯し、慕情と風信の協力を得て水の供給を試みます。
しかしながら干ばつは一向に改善せず、十分な水を供給することも叶わず、最終的には干ばつ地帯の人々が統治に反抗し、内乱が発生。
加えて、人面疫という致命的な疾病が流行し、その結果、仙楽国は滅びの道をたどってしまうのです。
人界に落とされ慕情と風信が離脱
結果として人界に落とされた謝憐は、生活に困窮し、ついには強盗を働く寸前まで追い詰められます。
かつては仙楽国の太子であり、武神としての地位にもあった謝憐。
彼が楽国の内乱を鎮めるために介入した際、国民は彼の加護を大いに期待しましたが、彼一人の力では、問題を解決することは不可能でした。
永安市が仙楽国の体制を覆し、新たな王朝を打ち立てたことで人々の失望は大きく、仙楽殿や謝憐の像が破壊され、信徒たちの姿も消えていきました。
この失敗により天界からの追放を受けた謝憐は、国王夫妻、慕情、風信と共に放浪生活を送ることになります。
慕情が最初に離脱し、その後、国王夫妻が自害した後、謝憐は生活のために強盗を働く寸前まで追い詰められます(ただし、実行直前で思い留まる)。
風信がこの事態を知った後、謝憐のもとを離れます。
謝憐は風信が、いずれ自分から離れるのではないかと感じつつも、彼を引き止めることはしませんでした。
再び天界へと昇り花城と再会
謝憐は様々な国を渡り歩いた後、2度目と3度目の飛昇を果たします。
2度目の飛昇の詳細は、物語が進むにつれて明らかになる一方、3度目の飛昇の具体的な理由は依然として不明です。
仙楽国の滅亡から、800年後に行われた3度目の飛昇を通じて、彼は多岐にわたる経験を積み重ねました。
その中には、花謝将軍としてある国の軍隊で名を馳せた時期や、別の国で太子の剣術指南役を務めたこと。
さらにはガラクタを集めて売り歩くなどの、さまざまな職を経験しています。
この長い放浪生活の末に、ついには3度目の飛昇を遂げ、かつての仲間である花城との再会を果たすことができました。
まとめ:倫理的なジレンマと自己犠牲
最後にここまで説明した、謝憐太子の地位、能力、過去の経緯について総括します。
・謝憐は身長178cm、7月15日生まれ。
・禁欲生活を守りながら生きている。
・卓越した剣技を持つ武神。
・意志を持つ法宝、若邪(ルオイエ)を操る。
・料理を唯一、完食できるのは三郎(花城)。
・過去には仙楽国の太子の地位にあった。
・花城、慕情、風信との出会いがあった。
・人間界に落とされた経験が2回ある。
・3度目の飛昇を遂げ、再び天界に昇った。
謝憐の物語は彼の若さと広い心、そして強い信念を通じて展開します。
彼のように自分の過ちを受け入れ、前向きに生きることができれば、もっと多くの人が幸せになるかもしれません。
彼が何度も天界と人間界を行き来し、さまざまな挑戦に立ち向かう姿勢は、運命に翻弄される個人の姿を描きながら、彼の持つ義侠心と責任感ある性格を強調しています。
謝憐と他の人物との深い結びつき、特に花城や慕情、風信との関係は、どんな困難な状況にあっても、人々が互いに与える影響の重要性を浮き彫りにしています。
また、謝憐が直面する倫理的なジレンマや自己犠牲のテーマは、理想と現実の間の葛藤を示しており、これが彼のキャラクターの複雑さを深める要素となっています。
時には、彼の選択が痛みや損失を伴うものであるとしても、それは彼の英雄的な側面と人間らしさを同時に示すものです。
これにより私たち読者に対して、どのような状況においても個人の選択が持つ重大さと、その影響を考えさせています。
総じて、個人の成長、選択の重要性、人間関係の力を強調しており、これらの要素が複雑に絡み合いながらも、読者に深い感情的な共感と思索を促しているのです。