「キングダム」の第68巻で、秦の軍隊は趙の深い部分に位置する、宜安を目指して進軍しました。
その動きは李牧によって素早く察知され、秦の前進は完全に予測されていたのです。
李牧の巧妙な戦略により、秦の軍は大きな損害を受けてしまいます。
この戦いで秦が敗れれば、李牧の指揮する趙軍が勝利を収めることになり、非常に重要な局面です。
「秦趙宜安決戦」は趙軍に勝利を許してはならない一大事ですが、その行方はどうなるのでしょうか?
追い詰められた桓騎軍のリーダー・桓騎(かんき)は、運命を懸けた大勝負に打って出ます。
驚くべきことに、李牧を狙って趙軍に対する決死の奇襲を行います。
果たして、李牧を討つことは可能でしょうか?
この挑戦が失敗すれば、桓騎の命は確実に絶たれることになります。
今回は李牧に迫る桓騎の詳細を、深く掘り下げて解説します。
桓騎は最後は命を落として死亡する
結論から言うと、桓騎は最終的に命を落とします。
これまでの彼の行動は、時に味方にさえ危険視されるほどの影響力を持つ武将でした。
そのため桓騎の死は、多くの者にとって大きな損失と言えるでしょう。
次に桓騎の人物像に焦点を当ててみます。
桓騎は元々、秦の著名な将軍蒙驁の副将を務めていました。
荒々しい性格の山賊たちを束ねる桓騎軍の中で、彼は「お頭」と親しみを込めて呼ばれています。
得意とする戦術はゲリラ戦法
桓騎の主戦術は、ゲリラ戦法です。
この戦法は奇襲攻撃や待ち伏せ、後方からの破壊活動を主とするものです。
山賊の頭として、彼はこの戦法を駆使して多数の討伐軍と戦い、無敗を誇ってきました。
桓騎の戦闘スキルは「バケモノ」とまで評されるほどで、秦の六大将軍と肩を並べるほどの武力を持っています。
しかし、国内外での桓騎の名声はそれほど高くなく、李牧でさえも彼の実力を知らなかったと言われています。
仲間への攻撃には容赦なく反撃
桓騎の戦闘における驚異的な強さは、彼の激しい怒りから生まれています。
その中で、桓騎の仲間であった雷土が敵に捕らえられ、拷問の末に残酷にも殺害される事態が発生します。
この知らせ受けた桓騎は、捕えられた趙の兵士を処刑し、更には約十万の趙兵を容赦なく斬り捨てるという深い怒りを示しました。
敵国の一般市民に対しても、戦闘中に冷酷な行動を取ることがありますが、自身の仲間に手を出す者に対しては特に無慈悲です。
肥下の戦いで仲間と共に命を落とす
そして肥下の戦いでは、桓騎の仲間たちが次々と命を落としました。
この強烈な怒りを胸に、桓騎は李牧を討ち取るために進むことができるでしょうか?
それとも趙の兵士たちによって、道半ばで討ち取られる運命にあるのでしょうか?
ここからは「肥下の戦い」の詳細を見ていきます。
無数の槍が突き刺さり死亡
予めお伝えしておきますが、「肥下の戦い」において桓騎の死亡は確定しています。
部下たちに「我々が勝つ」と宣言し、李牧の元へと進む桓騎。
李牧の姿を捉えた桓騎は、剣を抜きます。
しかし、この一撃が決まる大きなチャンスは、敵兵によって遮られ、桓騎の身体には数多の槍が突き刺さります。
李牧の目の前で息を引き取る
重傷を負った桓騎は、倒れゆく仲間たちの姿を目の当たりにし、最後の力を振り絞って李牧を討とうと試みます。
しかし、李牧には届かず、李牧の目の前で剣を向けたまま息を引き取ります。
その際、桓騎の剣はすでに折れていたため、李牧は避けることもせず、ただ見守るだけでした。
もし、剣が折れていなければ、李牧がどう反応していたか?を考察する価値があるシーンです。
黒桜は敵兵の槍で死亡する
肥下の戦いでは、桓騎の軍も多くの犠牲者を出しました。
戦いの中で最初に命を落としたのは、桓騎に深い感情を抱いていた黒桜です。
黒桜は趙軍の兵士が放った槍が腹部に直撃し、馬から落ちながら息を引き取りました。
ゼノウは上和龍に敗れて死亡
続いて命を落としたのは、桓騎軍の中でも特に強力な力を持ち、"最終ウェポン"と称されたゼノウです。
李牧の軍が本陣を手薄にした隙を突き、ゼノウは自らの一家を率いて襲撃を開始しましたが、敵将の上和龍に致命傷を負わされます。
一度は戦死したと思われたゼノウ。
しかし、桓騎の指示で奇跡的に立ち上がり、上和龍の頭を握り潰しましたが、結局相打ちで命を落とします。
朱摩はカイネに敗れて死亡
そして、ゼノウ一家と同等の武力を持つ朱摩は、李牧を守るために駆けつけたカイネと対峙します。
朱摩はカイネを追い詰めますが、窮地を救うために入った李牧の一撃により、頭部を左目ごと貫かれ戦死しました。
厘玉は桓騎と共に死亡する
最後に厘玉は、桓騎と共に最後まで戦い抜き、共に命を落とします。
桓騎への忠誠と桓騎の言葉を信じ切った仲間たちは、必死の覚悟を持って戦ったと言えるでしょう。
偲央を思いながら最期を迎える
桓騎は、趙軍の兵士によって投げられた槍が刺さる中、ある女性のことを思い出していました。
死が迫る中で愛する偲央の姿が、桓騎の脳裏を走馬灯のように駆け巡ったのです。
偲央は砂鬼一家の首領であり、「衣央の姉」として知られています。
桓騎と偲央は、桓騎が彼女に拾われたことから深い関係を築きます。
彼らは、狼甫一家の復讐から逃れるために、住んでいた山間の隠れ家を放棄しました。
狼甫一家は以前、偲央たちを虐待することを楽しんでいましたが、桓騎の計画により、狼甫一家の幹部と首領狼甫を夜襲で討ち取ります。
これにより住み家を放棄し、桓騎と共に新たな生活を始めることになりました。
桓騎はこの行動が「これからお前たちが傷つくことがないようにするための手段だ」と偲央たちに説明します。
桓騎の指導により、偲央たちは生き延びる方法を学び、また、狙われることもなくなりました。
しかし、平穏な生活を手に入れたかに思われた矢先、偲央は不可解な死を遂げます。
桓騎は、その偲央を思いながら戦場で命を落としたのです。
当初は悪党として描かれがちな桓騎ですが、桓騎の過去や人となりを深く知れば、彼の良さが理解できるはずです。
桓騎の死は史実を基にした描写
「キングダム」にはオリジナルキャラクターが多数登場しますが、桓騎のように実在の人物を基にしたキャラクターもいます。
実際に歴史上の桓騎は、原作で描かれるような残虐な将軍ではなく、具体的な戦功が記されています。
紀元前236年、王翦や楊端和と共に趙国を攻め、鄴周辺の9城を攻略しました。
また、扈輒将軍を討ち取り、趙軍10万の首を取るという記録も残っています。
「キングダム」の中で桓騎が肥下の戦いで李牧に敗れ、戦死するエピソードは、これらの史実に沿った内容で描かれています。
死亡シーンは69巻752話「聖地へ」
桓騎の命運が尽きる瞬間は、「キングダム」の第69巻、第752話「聖地へ」で描かれています。
桓騎は趙軍の兵士が投じた無数の槍に貫かれながらも、愛する偲央の走馬灯を見て最後の気力を振り絞ります。
李牧へ刃を向けながら息絶える桓騎の姿には、読者から悲しみの声が上がる一方で、彼の漢としての生き様を称賛する声もあります。
その勇ましい最期を自ら目に焼き付けたい場合は、上記の話数を参照してご覧ください。
まとめ
- 李牧の目の前で、無数の槍が刺さった状態で刀を向けつつ息絶える。
- 負け戦で命を落とした仲間には黒桜、ゼノウ、朱摩、厘玉などが含まれる。
- 死が迫る中、桓騎は愛する偲央を思い出す。
- 桓騎は実在し、その死は史実に基づいて原作に忠実に描かれている。
- 最期のシーンは第69巻、第752話「聖地へ」で描かれている。
以上が桓騎の死に関するまとめです。
桓騎軍は李牧に敗れましたが、無数の槍がなければ勝利の可能性もあった戦いでした。
桓騎を失った後の秦軍の戦略がどう変わるか、今後の展開が注目されます。