ブルーロックの中心人物、潔世一は、自らを地味で目立たない存在だと見ています。
低い自尊心を抱えながらも、ブルーロックに参加する決心をします。
こんな潔世一に対する、読者の不評があるのも事実です。
言葉が悪い、性格が悪い、信じられない、最低だ、といった意見などなど…。
この記事では、その背景にある理由を探ります。
言葉遣いが悪くて嫌われる理由
潔世一は他人の顔色を伺いがちで、自己肯定感が欠けています。
性格は基本的に、お人好しで温和。
強烈な個性を持つ登場人物たちの中では、潔が緩衝材の役割を果たすこともあります。
こうした周りの状況が、潔の言葉遣いをつい悪くしてしまい、嫌われる原因になっているのかもしれません。
通常時に比べて言葉が過激に
潔世一は試合が進むにつれて、言葉遣いが荒くなります。
ブルーロックは他の物語と比較しても、言葉の攻撃性が際立ち、挑発的な言葉が目立ちます。
特に潔は、通常時と比べて言葉が過激になるため、他の人物に比べて批判の声が上がりやすいです。
毒舌で他人を見下す発言
潔世一は自我が強まると、言葉が荒くなる傾向にあります。
傲慢な態度や他人を見下すような発言が、毒舌と呼ばれる理由となっています。
「ヘタクソ」
「ドロ船」
「クソメガネ」
といった辛辣な言葉を使うことが多いですが、このような毒舌が試合の流れを左右することも少なくありません。
自我が前面に出ると言葉も荒く
潔世一の言葉が荒くなるのは、自我が前面に出た時です。
ブルーロックはチームプレイよりも、個々のエゴや際立った個性を重視するゲームの性質上、自我が強くなることは避けられません。
この環境だと、自我が強くなると言葉遣いも悪化するのは、ある意味で予想される結果かもしれません。
過剰な自己主張でイキっている
潔世一はしばしば、自己主張が強すぎイキっていると見られます。
その自己主張が魅力的であればまだしも、そうでない場合、ただ不快感を与えるだけの嫌われ者です。
試合での勝利後、負けた選手のもとへ行って見下ろし、快感を感じるその様子は、見る者を不快にさせました。
時折感じる卑屈な態度が不快
潔世一は自分自身を卑下し、他者にへつらう態度を時折見せることから、卑屈でムカつくとも言われています。
特に、馬狼照英に対して教えを請うシーンは、卑屈な態度の典型的な例として挙げられます。
しかし、このような行動を素直で真摯な態度と、好評価する人もいます。
性格が悪くて嫌われる理由
ブルーロック開始当初、潔世一の自信のなさが顕著でした。
しかし、空間認識能力と未来予測の才能に気づき始めると、潔は自信に満ちた強気な一面を見せるようになり、顕著な成長を遂げます。
ここからは、潔世一の性格は厄介者なのかどうか?を掘り下げます。
試合内外で性格が別人のようになる
潔世一は試合内外での振る舞いが、一貫性を欠くという点で批判されることがあります。
試合中は自己中心的で、攻撃的な言動が目立つ一方で、試合後には全く別人のように異なる、穏やかで温和な性格を示すためです。
このような変わり身は、車の運転中に人格が変わる人に例えられることもあります。
すべて上手く行く展開が不自然
潔世一のストーリーが「なろう系※」になっており、受け入れがたいという声が上がっています。※平凡な主人公が活躍するストーリー展開のこと。
スポーツ物語でよく見られる「無双状態」が、特に潔には顕著で、ピンチの時に便利すぎる形でゴールを決めるシーンが多いです。
潔が常にゴールを決めるポジションにいることが不自然で、全てが上手く行きすぎる主人公に共感が持てない、という意見もあります。
試合中に延々と話すことが不快
潔世一が試合中に、自分の感情や状況を詳細に説明することが、物語の流れを損なうと批判されています。
特に、試合のクライマックスで潔が話し始めると、長引くことが多いです。
試合のテンポが失われ、観ている視聴者の緊張感が削がれてしまいます。
このようなシーンが多発すると、試合の熱気が冷めてしまい、視聴者がイライラを感じて嫌われる原因になります。
主人公補正が強い展開で飽きる
潔世一に対する「主人公補正」が強すぎる、との批判があります。
どんなに強大な敵も、潔世一が主人公であるがゆえに、潔が勝利する展開になります。
そのため「またか…」という感じで飽きが来てしまう観点から、不評を買うことがあります。
特にブルーロックでのランキングが、初め299位から1stステージ後に15位に急上昇したことは、主人公補正の象徴とされています。
過激な煽りが受け入れられない
潔世一の煽りに対する反感も、少なくありません。
潔の煽りが原因で、相手が変わっていくこと自体は、物語に深みを加える良い要素です。
しかし、その煽り方が過激であったり、不快感を与える場合が多いという意見があります。
例えば、雷市陣吾も強烈な煽りを見せるキャラクターですが、潔世一に比べると何となくまっすぐで、嫌悪感を抱かれにくい印象です。
言動が中二病を彷彿させる
潔世一を見ていると、中二病を思い出すという意見があります。
潔が「俺たちが勝つ」というような、自分が正しいと信じ切っている態度や台詞が、中二病特有のドラマチックな言動と重なるようです。
多くの人にとって、中二病は成長の過程での恥ずかしい記憶。
潔の振る舞いがそれを思い起こさせるため、観るのが辛いと感じる人もいるようです。
力不足で雑魚と批判される
「潔世一は弱いし雑魚」という批判も耳にします。
潔がブルーロックに挑む動機は、地方大会での敗北を引きずり、もっと攻めの姿勢を見せたいという思いからです。
物語を通じて、潔のサッカー技術や身体能力が、他の選手と比べて劣っていると自覚するシーンが頻出します。
ブルーロックで勝ち残ることができるのは、たった1人だけです。
ランキング299位からのスタートは、確かに雑魚であり厳しい戦いを暗示しています。
潔世一がどれほど成長し、どこまで強くなれるのかが注目のポイントです。
まとめ
ブルーロックの主人公・潔世一は、その独特のキャラクター性で賛否両論を呼んでいます。
試合中の潔は言葉遣いが荒くなり、毒舌やエゴの強さが前面に出ることが多いです。
これは、高いプレッシャーのもとでの自己表現の一つの形であり、「圧倒的なプレッシャー下での人間性の露呈」というテーマを、作者が探求していると考えられます。
また、潔のキャラクターは「イキっている」見られ、その過剰な自信は視聴者から反感を買うこともあります。
しかし、この振る舞いは潔が不安や卑屈さを、隠すための防衛機制とも解釈できます。
潔のこのような性格描写は、試合の内外で一貫性がないという批判に繋がっていますが、これもまた、現実と理想の自己像との間での葛藤を描く、作者の意図を反映しているのかもしれません。
さらに、潔世一はしばしば「なろう展開」と揶揄され、物語中での都合の良い展開や「主人公補正」と呼ばれるほどの幸運が潔を取り巻きます。
これにより、キャラクターに対する共感が薄れ、物語のリアリズムが損なわれていると感じるファンもいます。
潔が試合中にペラペラと話すシーンも、その実力を超えた言動として受け入れられず、「ダサい」との声が上がることがあります。
厨二病的な言動や、煽ることによって他のキャラクターに影響を与える描写は、一部の観客には自己の過去を思い出させ、また一部にはただの「弱いし雑魚」として映ります。
これら全てが合わさり、潔世一というキャラクターが持つ、複雑な人間像が浮き彫りにされています。
このように、潔世一のキャラクターは、潔の強さと弱さ、成功と失敗、自信と不安が入り混じることで、ブルーロックという作品に多層的な深みを与えているのです。
作者はこれらの要素を用いて、強烈な競争の世界での個々の成長と苦悩を、リアルにかつ劇的に描き出しているのです。