糸師凛は潔世一をライバルと見なすチームメンバーで、その低くて迫力ある口調が特徴的です。
『ブルーロック』シリーズでは、多くのキャラクターの過去の背景が語られていますが、糸師凛の過去について興味を持つ読者も多いでしょう。
この記事では、糸師凛の幼年期とサッカー開始の経緯。
そして凛の過去や、兄・冴とのエピソードを掘り下げていきます。
尚、糸師凛の幼少期については、第15巻の123話から125話にかけて描かれています。
糸師凛の人物像と過去の経緯
糸師凛は、ブルーロックが求めるエゴイズムを体現するキャラであり、その強気なプレイスタイルや言動は、馬狼照英と比較されるほどです。
凛は自らが認める相手に対しては、独自の方法で評価を下すなど、一見すると厳しいが悪意のある人物ではない、と見受けられます。
幼少期では兄を尊敬していた
第15巻の123話「世界一」では、糸師凛の幼少期が回想シーンとして描かれています。
このエピソードでは、糸師兄弟がまだ幼く、互いに夢を語り合いながら楽しそうに遊ぶ様子が描かれ、二人の仲の良さが感じられます。
「兄ちゃんはいつも、めっちゃすごくてかっこ良くて優しい。負けず嫌いで誰にも負けないんだ」
と凛が思っていたことが語られます。
当時の凛が、兄を素直に尊敬していた様子は、現在の凛からは想像もつかないほどの変化を見せています。
兄弟で世界一を目指すも冴がスペインへ
続く124話「ナイトスノウ」では、糸師兄弟がチームメイトに「バケモノ」と評されるシーンが描かれます。
この話で凛は、
「兄ちゃんとのサッカーはとても楽しいし、俺たち兄弟で世界一になる」
という夢を持っていたことが明かされます。
凛はその夢が叶うと、信じて疑わなかっのです。
しかし、その時、兄の冴がスペインへ行くことを決めており、
「お前も後から来い、俺がいない間でも諦めるな」
と凛に伝えます。
この展開が二人の関係に、新たな動きを見せることになりました。
帰国した冴に圧倒され意気消沈
125話「ぐちゃぐちゃ」では、糸師凛が兄・冴にサッカーで圧倒される様子が描かれています。
冴が4年ぶりに一時帰国する中、凛は孤独を耐えながらサッカーを続けていました。
冴は帰国して、凛に向かって
「世界一のストライカーではなく、世界一のミッドフィルダーになる」
と宣言します。
この言葉に衝撃を受けた凛は、自らを「世界一のストライカーの弟」と位置付けて冴に挑戦します。
しかし、冴が見せる別次元のプレイスタイルとスピードに、凛は対応しきれず意気消沈するのでした。
凛の幼少期と兄との関係の影響
糸師凛の作中での振る舞いには、兄に対する深い感情が反映されています。
凛は兄のことになると、時として理性を失うような行動を見せることがあります。
特にU-20日本代表戦では、兄が凛ではなく潔世一を認めたことから、凛の表情には絶望や怒りが混じった複雑な感情が現れました。
この背景には糸師凛の幼少期や、幼い頃のエピソードが影響しています。
凛の過去を掘り下げて見ていきましょう。
兄を追っているだけでは夢は叶わない
糸師凛は幼少期から、兄の強くかっこいい姿に憧れ、世界一のストライカーという同じ夢を持ち続けていました。
凛は兄とともに、この夢を実現させることを心から願っていました。
二人で世界一になるという共通の目標に向かって、兄の背中を追い続ける日々を送っていた凛。
しかし、兄だけを追っているだけでは、夢は叶わないという現実に直面します。
冴はこの厳しい真実を、凛に伝えようとしていたのかもしれません。
冴の言葉は凛にとって、ただのアドバイス以上の重みを持っていた可能性があります。
冴の試合に乱入しシュートを決める
糸師凛は冴の試合中に無断でピッチに入り、シュートを決めた事件があります。
この出来事は、凛が観戦していた際に起きたもので、
「いつか兄ちゃんのようにカッコよくて強い世界一のストライカーになる」
という凛の決意を新たにします。
試合中に突如としてピッチに飛び出した凛の行動は、チームメイトたちを怒らせてしまいます。
しかし、その場面で冴は凛に、
「一緒にサッカーをしろ、お前が次に最も強くなれる」
と励まし、二人でサッカーをすることになりました。
この一件は凛にとって、重要な転機となった瞬間です。
冴の渡西までは仲良しの兄弟だった
冴と凛は、冴がスペイン(西班牙)へ行く前までは、一般的に仲の良い兄弟として描かれていました。
二人は共に「世界一のストライカーになる」という夢を持ち、その目標に向かって努力していたシーンが多く見られます。
しかし、この目標に対する冴のアプローチは時として厳しいものであり、一部からは「冴が厳しすぎる」との意見も出ています。
この厳しさが凛の夢を叶えるため、そして冴自身が世界の頂点を目指す過程で、必要なものだったのかもしれません。
この複雑な兄弟関係が、二人のキャラクターをより深く理解する手がかりとなっています。
冴がいないサッカーに限界を感じる
糸師凛は、兄・冴がスペインのレ・アールへ移籍してから、「冴のいないサッカーは窮屈で不自由」と感じるようになります。
冴の存在が、いかに自分のプレイに自由を与えていたかを実感し、その不在がプレイスタイルに大きな影響を与えていることに気づいたのです。
冴と同等の実力を持つ選手が周囲にいなかったため、凛はサッカーにおいて一層の窮屈さと不自由さを感じていました。
それにも関わらずサッカーを続けた理由は、将来的に再び兄とともにプレイすることへの願望によるものです。
凛にとって、兄との再会とその共闘は、サッカーを続ける最大の動機となっています。
冴から断絶されサッカーに絶望する
糸師凛は兄・冴から厳しい勝負を持ち掛けられ、その過程で甘さや考え方に断絶を迎えます。
冴による、
「二度と俺を理由にサッカーをするな、消えろ凛、俺の人生にお前はもういらない」
という言葉は、凛にとって極めて衝撃的でした。
これにより、「世界一の兄と世界二の凛」という夢が終わり、サッカーを続ける意義を見出せなくなってしまいます。
凛はこの出来事により深く落ち込み、手にしていたトロフィーを壊すほどに荒れた状態に陥ります。
これまで共に築き上げてきた、兄弟でのサッカーの歩みが無意味だったと感じ、深い絶望を抱くシーンが描かれています。
凛のサッカー開始年齢と幼少期のエピソード
凛と冴のエピソードには、クリスマスの思い出や子供らしいプレゼントが交えられ、彼らの人間らしい一面が語られています。
幼い頃からサッカーを始めており、その生活はまさにサッカー一色であったことが伺えます。
糸師凛がどのようにしてサッカーを始め、どの年齢からプレイしていたのかは、凛のキャラクター形成において重要なポイントです。
ここからは、糸師凛がサッカーを始めた動機と、その年齢に迫ります。
兄の冴に憧れてサッカーを始める
糸師凛は物心がついた頃から、サッカーを始めています。
その初期のきっかけは、兄・冴の影響でした。
兄が誰よりもサッカーが上手く、また優しい存在であったため、凛は自然とその道を歩み始めます。
凛のサッカー能力は天賦の才ではなく、幼少期からの絶え間ない練習によって培われたものです。
凛がここまでの実力を持つに至ったのは、兄・冴に少しでも近づきたいという切実な願いが根底にあったからです。
この強い動機が、凛のサッカー生活の原動力となっています。
2歳半~3歳頃にサッカーを始める
糸師凛がサッカーを始めたのは、およそ2歳半から3歳頃とされています。
一般的に子供が物心つく年齢とされる「2歳半〜3歳頃」を基準に、凛もこの時期にサッカーを手に取ったと考えられます。
幼いながらに、1~2号サイズのミニボールでの練習をスタートし、おそらくは楽しみながらプレイをしていたでしょう。
3歳でドリブルをマスターする子供もいる中で、凛も同様に早い段階でこの技術を身につけていた可能性が高いです。
この初期の経験が、凛のサッカー技術の基礎を形成したと言えるでしょう。
まとめ
今回はブルーロックの糸師凛の、これまでの成長史をまとめました。
凛の幼少期からのサッカーへの情熱、そして兄・冴との関係が理解できたと思います。
第15巻の123話から125話にかけて、幼年期やサッカーへの道が詳細に描かれており、凛が「世界一のストライカー」になることへの強い願望が示されています。
そして凛は、兄・冴の影響を強く受けています。
兄が示す、圧倒的なサッカースキルに劣等感を抱きながらも、兄に追いつき、追い越すことを目標としています。
冴がスペインへ移籍した後、凛はサッカーにおける自らの制限を感じるようになりますが、これが凛の成長にとって重要な転機となります。
兄からの挑戦を受け入れることで、自身の考え方や甘えを捨て、真に自立した選手としての成長を遂げます。
作者は糸師凛を通じて、才能と努力、そして家族との関係が個人の成長にどのように影響を与えるかを探求しています。
特に凛と冴の関係は、競争と協力のバランスを示しつつ、互いに刺激となり合うことでそれぞれの限界を超える力を生み出しているのです。
凛が約2歳半から3歳頃に、サッカーを始めたこと。
そして幼少期から兄に憧れ、冴を目標として成長していく過程は、凛の個性と人間性を形成する重要な要素となっています。
これらのエピソードは、『ブルーロック』がただのスポーツマンガであるだけでなく、深い人間ドラマとしても機能していることを示しており、読者に強烈な印象と感動を与えることに成功しています。